バリウム虫垂炎は、消化管造影検査後に虫垂にバリウムが残存することで発症する疾患であり、消化管穿孔するリスクも有る。頻度としては決して高くないが、検診でのバリウム検査は非常に多いため、遭遇する可能性は決して稀ではない。
ちなみに、90%以上の患者は3日以内にバリウムは虫垂内から排泄され、残存するのは8%程度であるという。(参考:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsgcs/57/3/57_367/_pdf)
バリウムだけが虫垂炎の直接の発症理由ではなく、もともと虫垂に噴石などがあり、そこに流入してきたバリウムが加わり、噴石が嵌頓し完全閉塞となったことで虫垂炎に至るなどのメカニズムも提唱されている。
手術適応にもなりうるので消化器外科への紹介が必要(フォローのCTでバリウムの減少と同時に腹部症状も改善し、絶食・抗生剤のみで無事退院となった症例もある)。
バリウムが長時間腸管内に留まるとバリウムが固くなり排便されず、腸閉塞の原因となることがある。
基本的には下剤+水分摂取励行で早めの排便を促す。白色便のあとに茶色の排便があればひとまずは安心。
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