帯状疱疹後神経痛に対する薬剤治療メモ

・帯状疱疹後神経痛は帯状疱疹が重症であればあるほど発症リスクが高い。(皮疹が軽度であっても出現することはある)

・多くの場合症状は半年程度で自然に消失する事が多い。QOLに影響を与えない程度であれば経過観察も可能。

・治療のスタンダードはプレガバリン(リリカ®)、ガバペンチン(ガバペン)、三環系抗うつ薬(、ノルトリプチリン、アミトリプチリン等)である。

三環系抗うつ薬

・三環系抗うつ薬の副作用:血圧低下、傾眠・鎮静作用、抗コリン作用に起因する便秘・尿閉・口渇、QT延長など

ノルトリプチリンとアミトリプチリンは鎮痛効果は同等と言われているが、忍容性の高さはノルトリプチリンの方が高いと言われている。(ノルトリプチリンは疼痛そのものに対してではなく、慢性疼痛に対する抑うつ状態に対しての保険適応が通っている)

機序:三環系抗うつ薬はセロトニン・ノルアドレナリンを神経に再回収するのを防ぐ。量が多くなった神経伝達物質が下行性疼痛抑制系の機能を高めて痛みの伝達を遅らせる。

禁忌:閉塞隅角緑内障、前立腺肥大、心筋梗塞回復初期の患者

リリカ

・リリカカプセル75mg2カプセル分2で開始。1週間以上かけて増量。めまい、眠気、末梢浮腫、頭痛、口渇に注意しながら最大600mg/dayまで増量。腎機能で調節。

神経痛は炎症の痛みではないので、NSAIDsはほぼ無効である。軽度の痛みであればアセトアミノフェンが効果を示すこともあるが、殆どの場合はより強い鎮痛作用を持つ上記のリリカや三環系抗うつ薬が必要になる。コントロールが難しい場合はオピオイド系鎮痛薬が必要となることもある。

*中止するときは必ず1週間以上かけて漸減。

*注意:ACE阻害薬との併用で血管浮腫リスク増加。チアゾリジン系薬剤との併用で末梢性浮腫の増加。

参考:

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspc/27/2/27_19-0011/_html/-char/ja

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