誤嚥性肺炎患者が入院すると、一旦されがちな「絶食」指示。
誤嚥を更に起こして重症化を懸念して絶食指示がなされるが、絶食することでむしろ状況が悪化することがある。
絶食になると嚥下回数が低下するので、元々低下している嚥下機能低下に拍車がかかってしまう。食事を摂るということは嚥下機能訓練の意味も兼ねているので、絶食が長引くと嚥下機能が低下し、予後が悪化する。
また絶食にすると唾液の分泌も低下して口腔内環境の悪化→肺炎になりやすくなる。それだけでなく、時間感覚もわからなくなるのでせん妄のリスクも増加。
悪いことを述べましたが、それでも絶食にせざるを得ない状況はある。
・バイタル不安定時(循環動態が安定してない、頻呼吸、意識レベル低下など。酸素は鼻カニューレであれば食事可能。)
・唾液や喀痰が多いとき(明らかに痰が溢れている時は嚥下が出来てないので食事は危ない。痰吸引の頻度が多い時も危険。看護師に要確認)
・口腔内汚染や乾燥がひどい時(口腔内の汚れを飲み込んでしまう+本来の嚥下機能を発揮できない)
→これらの場合は一旦絶食にして、翌日に再評価。
コメント