ビタミンB12不足で亜急性脊髄連合変性症が引き起こされるのはなぜか

ビタミンB12不足で亜急性脊髄連合変性症が引き起こされるのはなぜか

 

ビタミンB12は生体内において葉酸代謝、脂質代謝という2つの点において非常に重要な役割を持っている。

ここでは葉酸代謝の方は割愛して、脂質代謝の障害が起きるとなぜ亜急性脊髄連合変性症が引き起こされるのかについて述べる。

脂質代謝経路として
プロピオン酸→メチルマロニルCoAサクシニルCoA→クエン酸回路
という順番で脂質は代謝されていく。

 

ビタミンB12メチルマロニルCoAからサクシニルCoAになる時に必要な補酵素である。ビタミンB12が欠乏するとその上流にあるプロピオン酸、メチルマロニルCoAが蓄積し、その蓄積が髄鞘形成障害を引き起こすと考えられている。

また、ビタミンB12はメチオニン合成酵素の補酵素としても働いているのでビタミンB12不足によりメチオニンの合成も低下してしまう。神経の髄鞘の維持にはメチオニンの誘導体が必要であるので、結果的には神経が死んでしまうことになる。神経の部位によってメチオニンがどの程度必要なのかは異なるが、特に脊髄後索と側索はその欠乏に弱いので最初にダメージをうけると考えられている。病名の「連合」というのは後索と側索が連合してやられるのでこう呼ばれている。

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