レイノー現象の原因と機序

レイノー現象(raynaud phenomenon)とはなにか

動脈の狭小化に続発する四肢の動脈血行不全をレイノー現象という。

四肢末端の細動脈が発作的に攣縮し、間欠的なチアノーゼをきたす。また、攣縮が収まると今度は皮膚は発赤する。つまり手指の色が白→青→赤のように順に変化するという特徴を有する。レイノー現象の機序は寒冷や感情に対する正常の中枢または局所の血管運動反応が過剰に起きてしまうことによる。病態としては全身性エリテマトーデス(SLE)や強皮症、バージャー病などが代表的。

また、レイノー現象のみで他の症状が特にないものを「レイノー病」という。

レイノー現象を疑ったら何をするべきか

・レイノー現象に診断基準はないが、手指の二相性の色調変化があれば考える必要がある。

・有病率は人口の10%近くと非常に多いが、二次性の原因の検索が重要

・二次性の原因のスクリーニング

鑑別

膠原病

(SLE(抗核抗体)、関節リウマチ(RF、抗CCP抗体)、シェーグレン症候群、強皮症(抗セントロメア抗体、抗トポイソメラーゼ1抗体、抗RNAポリメラーゼⅢ抗体

血管炎

血管炎(結節性多発動脈炎(ANCA陰性の血管炎)、ANCA関連血管炎(MPO-ANCA,PR3-ANCA)、クリオグロブリン血症性血管炎(37度以下など寒いところでクリオグロブリンが沈着→血管炎)

血管閉塞(動脈硬化、バージャー病、閉塞性血栓血管炎(喫煙者の若年男性)

神経疾患(胸郭出口症候群(別記事参照)、椎間板疾患、手根管症候群)

血液疾患(モノクローナル蛋白、寒冷凝集素病、クリオグロブリン血症)

原発性肺高血圧症(心エコー・BNP)

職業病(ピアニストなど指に頻回の物理的ストレスが晒される職業など)

また追記します。

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