大葉性肺炎と気管支肺炎の違い

大葉性肺炎と気管支肺炎の違い

 

細菌性肺炎は胸部レントゲンで撮影すると、肺の一葉全体に広がる大葉性肺炎と、気管支区域に限局した病変となる気管支肺炎の2つのパターンがある。

 

・大葉性肺炎とは細菌感染によって病原体が肺胞腔内に充満し、それが肺胞孔を通じて隣接する肺胞に広がりやがては一葉を占めてしまう。

・気管支肺炎とは気管支や細気管支を中心に増殖し、気道を介して病変が広がるタイプである。

 

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画像参照:http://tnagao.sblo.jp/article/69639413.html(いつもお世話になっている滋賀医大の先生のサイト)

 

 よって気管支肺炎の場合、気管支を通じて肺全体にばらまかれるので葉をまたいでとびとびに病変が形成されるのに対して、大葉性肺炎では肺胞孔を通じて病変が連続的に広がっていくという違いがある。

故に気管支肺炎では斑状の浸潤影となり、大葉性は胃炎は病変が葉一杯に広がるものの葉を包む胸膜を越えることはない。

また、気管支肺炎では細気管支に支配される小葉単位でしか細菌は増えないが、病変が肺胞に到達すると肺胞孔を越えて拡大し、大葉性肺炎と同じようなレントゲン像となりうる。

 

大葉性肺炎の原因菌としては肺炎球菌、クレブシエラ(肺炎杆菌)が、気管支肺炎の原因菌としては黄色ぶどう球菌やインフルエンザ菌などが代表的。が、原因菌の診断は培養や喀痰抗原を行わなければ出来ないので注意。画像所見は参考程度にする。

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