食道癌にルゴール染色で白くなる機序

食道ガンに対するルゴール染色で白くなる理由

 

ルゴール溶液とはヨウ素、ヨウ化カリウム、グリセリンなどからなる溶液である。この液体は食道ガンの検査で用いられる。

ヨウ素でんぷん反応というのはでんぷんとルゴール(ヨウ素)が反応することによって呈色する反応である。グリコーゲンとルゴールが反応すると赤褐色になることが知られている。食道の上皮細胞は通常であれば赤褐色になるのであるが、もし癌があれば上皮細胞のグリコーゲンは消費されていてヨウ素でんぷん反応は起こらず白色となってしまう。

でんぷんでもその種類によって色は異なる。
たとえばアミロースなら濃青色、アミロペクチンなら赤紫色を呈する。グルコースの直鎖構造は螺旋状になっていて、この構造にヨウ素が入り込むことで色が付く。グルコースの直鎖構造の長さによってヨウ素の入る間隔が異なり、色の付き方も変わるのである。

また、ヨードは正常の細胞では中に入っていくが、癌細胞では通過性が減少していることがわかっており、それもヨウ素でんぷん反応が起こりにくい一つの要因と考えられる。

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