肋骨骨折の診断(画像か臨床所見か)

肋骨骨折の診断

 

◯肋骨の診断

肋骨骨折の診断は画像所見(レントゲン)と身体所見を合わせてなされる。

レントゲンで明らかに骨が折れていれば診断は容易であるが、肋骨の周りには肺、血管、気管、食道など様々な器官があり骨折の中でも非常にわかりにくい。また肋骨の先端は軟骨成分なのでそもそもレントゲンにうつらない。専門の先生であっても見落としてしまうことは少なくないという。また肋骨は呼吸のたびに変動するだけあって非常にしなやかな骨である。故にひびがはいっていたとしてもレントゲン撮影の時にずれていなければ画像上正常に見えることもある。よってレントゲンが正常でも肋骨骨折の可能性は依然残ることを念頭に置く。

 

◯臨床的に肋骨骨折を疑うには

肋骨に沿って圧痛点があり、また咳や深呼吸にも伴って同じ場所に痛みが出現すれば肋骨骨折を臨床的に疑うことが出来る。更に間接的圧迫法も肋骨骨折の診断に有用である。例えば前胸部の肋骨骨折が疑わしければ、直接押さずに側胸部を両側から内側に押し、痛みが出るかどうかを確かめる。側胸部の肋骨骨折が疑わしければ前胸部と背中側から内側に押して側胸部に痛みが出るかどうかを調べる。これで痛みが出れば肋骨骨折をしている可能性は一段と高まる。

 

◯肋骨骨折と診断できたらバストバンドと鎮痛薬処方しフォロー。

肋骨は呼吸のたびに動くのでギプス固定できない。故に伸縮性のあるバストバンドを巻いてもらう。最初の2、3日は連続的に着用し痛みが軽快してきたら徐々に使用時間を減らしてもらう。

 

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