静脈血液ガスは有用か?

静脈血液ガスは有用か?

 

患者の呼吸状態や酸塩基平衡を調べる際に動脈血液ガスを測定するのが一般的であるが、動脈ではなく静脈血液ガスでその代用となるのであろうか。

 

端的に言えば

pHとHCO3-の評価は静脈血液ガスでも代用可能

・PCO2は静脈ガスの値と動脈ガスの値はバラバラ。

が、静脈PCO2が基準値内であれば動脈PCO2も基準値内であり、基準値内であれば代用可能

・PO2は代用出来ない(静脈中のO2濃度は動脈O2濃度と相関しない)

 

ちなみに

静脈血pHの基準値は7.35±0.05,動脈血のpHの基準値は7.4±0.05

よって静脈血pH=動脈血pH-0.05

静脈血HCO3-の基準値は26±2、動脈血HCO3-の基準値は24±2

よって静脈血HCO3- =動脈血HCO3-+2

(「ジェネラリストのための内科診断リファレンス」参照)

 

よって静脈ガスは全く役に立たないわけでなく、pHやHCO3-,PCO2などポイントを抑えれば使用することが可能。アシドーシスやアルカローシスの有無は判定できる(PCO2が基準値内であれば)

 

参考:「ジェネラリストのための内科診断リファレンス」「竜馬先生の血液ガス白熱講義」「卒後10年目総合内科の診断術」

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