・痙性片麻痺歩行
大脳〜頸髄レベルでの片側性錐体路障害で片麻痺を呈する。
(内包付近の血管障害:被殻出血、視床出血、中大脳動脈流域脳梗塞など)
歩行時の自然な屈伸が減少し、下肢は伸展しつま先は垂れていることが多い(下肢全体が棒のように突っ張る)。患側の脚が引っかからないように患側の骨盤を少し上に持ち上げて、脚を前に出す時は股関節を中心に下肢を外側に半円を描くように歩く。(ぶんまわし歩行)
【痙性片麻痺性歩行イメージ】
https://www.pinterest.co.uk/baudra/physical-therapy/
・あひる歩行(動揺性歩行)
中殿筋を中心とした腰帯筋の筋力低下の時に見られる時の歩行で、骨盤の固定が不安定になるために上半身を左右にふって歩く。
(原因疾患としては多発筋炎や筋ジストロフィー、代謝性ミオパチーなどで近位筋の筋力低下が発生している時)
アヒル歩行の特徴としては動揺しながら歩く、下肢を棒のように伸ばして歩く、お腹を突き出して歩く
動揺して歩く理由:足を前に出すための大臀筋の筋力低下があると、上体を揺すって反動を使って体を前に持っていくので動揺しながら歩くことになる。また、片足立ちをしている時に、骨盤を水平近くに保てないために上げてる足が地面につくように歩くことになる。それを代償するために体幹を反対側に倒すように歩行する。
下肢が棒のようになる理由:下肢の近位筋力が低下しているため、歩行時に膝の固定が難しい。そこで意識的もしくは無意識のうちに足全体を棒のようにして歩くことで膝に力を入れなくても膝が折れなくなる。故にこのような姿勢に。
お腹を突き出して歩く理由:足が棒の様になっていると体の重心は後ろ側によりやすくなる。後ろに倒れるのを防ぐためにお腹を前の方に突き出す。また、背中の筋肉である傍脊柱筋の筋力低下もあるため、お腹を突き出すことで脊椎を物理的に固定している。
【動揺性歩行の一例】
【リアルアヒル歩行の一例】
痙性はさみ脚歩行:
脳性小児麻痺による対麻痺では両下肢をはさみのごとく組み合わせて歩く。
下肢は棒のようにつっぱり、尖足も著明。更に大腿内転筋が過度に緊張してしまうために、立ってる状態では両下肢がそれぞれ内側に交差してしまう。
【はさみ足歩行の一例】
・鶏歩
前脛骨筋や足の背屈筋、長腓骨筋・短腓骨筋の筋力低下の際に見られる。
原因疾患としては多発神経炎、腓骨神経麻痺(L5神経根障害、圧迫性ニューロパチー)、ALSなどの運動ニューロン疾患などで見られる。
麻痺側の足が背屈できないために下垂してしまい、地面に足をつけないように患側の大腿を異常に高く挙上して歩行する。
(鶏歩:stepping gaitの一例)
・運動失調様歩行
小脳障害や前庭神経疾患では開脚し、一歩一歩が不安定で、歩幅は通常より狭く不規則。両手は振らずに、体のバランスを取るために微調節しながら恐る恐る歩いているようになる。つぎあし歩行は出来ず、一歩ごとに体が動揺する。
・パーキンソン病様歩行
パーキンソン病やパーキンソン症候群における歩行。前屈前傾姿勢、上肢をふらずに小さなステップで爪先から床をこするように歩く。
また、あるきはじめの第一歩の踏み出しが困難なすくみ足、徐々に歩幅が狭くなり駆け足のようになる加速歩行、自分で止まることのできない突進現象などもパーキンソン病様歩行に特徴的なあるき方である。
また追記します。。
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