◯魚には大量のヒスタミンが含まれていることが
サバなど魚を食べた後にアレルギー症状様の中毒症状が起こることがある。食後30分〜1時間後に蕁麻疹症状や腹痛、嘔気、下痢などが出現し、一見アレルギーと思われるが、実は魚の中に含まれているヒスタミンが原因であることがある。ヒスタミン中毒を起こしうる魚として赤身魚(特にサバ、マグロ、カツオ、アジなど)が知られている。これらを食べてしまうとヒスタミンの血管拡張作用により蕁麻疹などの症状が出現してしうる。
【魚ごとのヒスチジン量】
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/anzen_info/others/his/index.htmlより
なお、魚にもともとヒスタミンが蓄積されているわけではなく、魚に付着しているヒスタミン産生菌が原因である。赤身魚にはアミノ酸の一種であるヒスチジンが多く含まれているが、ヒスタミン産生菌によってヒスチジンが分解されてヒスタミンになることにより魚の中に沈着する。一般的には、魚肉中に500μg/g以上のヒスタミンが蓄積されると食中毒が起こるとされている。ヒスタミン産生菌は加熱で死ぬが、一度産生されたヒスタミンは加熱では分解されないので要注意。冷蔵庫などでもヒスタミン産生は続くために、出来るだけ早く食べたほうが中毒のリスクは低くなる。
◯アレルギーなのか中毒なのか
症状的にはアレルギー、中毒どちらの可能性もあるが、食後数分程度で発症していたら即時型アレルギーの可能性が高く、逆に1時間以上経過してから発症していれば中毒の可能性が高まる。また、過去に魚食後に同様のエピソードがあればアレルギーを疑う。IgE測定をすればより客観的。アレルギーか中毒かで今後食べれるかどうかの問題にもなるので重要である。ヒスタミン中毒の治療はアレルギーに準じ、抗ヒスタミン薬。
ヒスタミンをどのていど含んでいるか外観から判断することは出来ないが、食べた時に舌がピリピリするとヒスタミン濃度が高い可能性が示唆されるので香辛料などを使ってないのに通常とは違うピリピリ感があればやめるのが無難である。
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