ブドウ糖に代表される炭水化物はエネルギー投与量の 50 ~ 60%と、総エネルギー 投与量の最も多くを占める栄養素である。
ソルデム3号液などの維持液にもブドウ糖が入っているが、栄養的に十分なわけではなく、水分や電解質をコントロールするために用いられる。十分なブドウ糖投与は筋肉の崩壊を防ぐという意味で大事。
2g/kg/dayの糖質で糖新生抑制効果(筋肉量低下予防)を期待できる。よって体重が50kgであれば最低100g〜150g程度のブドウ糖が必要となるわけである。
例えば、ソルデム3AG輸液には一本37.5gのブドウ糖が入っているのでこれを3本投与すれば100gを超える。
6日間絶食状態の患者が食事をしないでいたとすると、たったの6日間で2Kgの筋肉を喪失する。もともと筋肉が落ちている高齢者でこれだけ落ちるとADLが落ちるのは当然。
一方で、糖質が入ると一日に100gのブドウ糖でもこの筋肉の崩壊は半分に抑えられるというデータが有る。(逆に200gブドウ糖を投与しても効果は変わらないが)。よって、筋肉の崩壊をこれだけ如実に防げるならブドウ糖を点滴に入っているかどうかが凄く大事とも言える。もちろん、高血糖状態や糖尿病のコントロールが不良の場合であればブドウ糖投与は慎重にならないと行けないが、高血糖はよくないからというイメージで1日に必要な最低限のブドウ糖投与を行わないのも罪である。
ちなみに浸透圧やpHから末梢静脈に投与可能な糖質濃度は10%程度。
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