栄養障害患者に最初から高エネルギーを投与してはいけない理由

◯栄養は少なければ栄養障害、多ければ過剰栄養

栄養投与量は必要量を下回れば栄養障害を招いて筋肉も弱っていってしまうが、必要量を大幅に上回ってしまうと過剰栄養になり脂肪肝になる他、感染症など様々な合併症のリスクが上昇してしまう。

 

◯絶食患者に高エネルギーを投与するとrefeeding syndromeになる

長期間食事量が低下していたような高齢者が入院してきた場合、良かれと思って必要カロリーをそのまま投与するのは危険である。急激に高エネルギーを投与するとrefeeding syndromeを発生させてしまう危険がある。 リフィーディングシンドロームは栄養が入っていない状態から再び食事を与える(refeed)時に起こる症候群であるが、原因としては生態のエネルギー源であるATPの材料となっているリン酸の不足によるものと考えられる。 通常は栄養を投与した直後から4−5日後に起こる事が多い。

 

◯最初は必要エネルギーの半分以下からスタート

対応としては血中のリン濃度をフォローすること、そして投与エネルギーを最初は少ない量で投与してリン酸を経静脈的に補給する必要がある。 具体的に投与エネルギーは現体重に対するエネルギー必要量の25〜50%以下で開始。 また、リンだけでなくビタミンB類も不足していることがあるため適宜補給する。

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