胸水と肺水腫の違い

基本的な言葉の整理です。

 

胸水と肺水腫は似たような言葉として捉えられがちですが違う病態です。

心不全における胸水も肺水腫も心機能が低下することによって、血液がうっ滞して血管内の圧力が高まることによって血管から間質側に体液が漏れ出てしまう現象である。

 

・胸水は肺の中に水が溜まっているわけではなく、肺を覆っている胸膜の中に水が溜まっている病態。右心不全による静脈圧上昇のために胸水の吸収が低下する場合と、左心不全による静脈圧上昇のために肺うっ血が高度になってリンパ管からの排出を超えて胸膜腔への胸水産生が増加する場合とがある。

・肺水腫は文字通り肺の中に水が溜まっている状態。肺の血管内の水がまず肺の間質に貯留し、間質性肺水腫となる。続いて間質の水が肺胞内に入り込んで肺胞性肺水腫となる。肺胞性肺水腫はいわゆるbutterfly shadowと呼ばれる像を呈する。

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