腸管出血性大腸菌感染症(EHEC)とHUSについてメモ

・軽症では問診と診察で臨床診断される。

・軽症例では通常行われないが、確定診断には便検査(便培養、抗原検査)が必要。

・感染性腸炎の中でも腸管出血性大腸菌感染症(EHEC)と溶血性尿毒症症候群(HUS)には注意が必要。日本では最も重症化しやすいと言われている。

EHECの菌の種々の性状は、人の常在菌である大腸菌とほぼ同じと考えてよいが、最大の特徴はベロ毒素を産生することである。

・O157感染症では、無症状のものから軽い腹痛や下痢のみで終わるもの、さらには頻回の水様便、激しい腹痛、著しい血便とともに重篤な合併症を起こし、致死的となるものまで様々。

・O157感染による有症者の約6~7%では、下痢などの初発症状発現の数日から2週間以内に、溶血性尿毒症症候群(HUS)を起こしうる。

 

💡腸管出血性大腸菌感染症をいつ想起するのか。

→血便や腹痛が非常に強い場合は考える必要がある。

 

💡EHECは牛肉・生肉などで感染。潜伏期間は2−8日程度

2012年より生牛肉・生牛レバーの摂取が規制された)

 

💡重症判定は?

下痢が一日に6回以上が目安。その他37.5度以上の発熱、90/分以上の頻脈など。脱水が補正されれば下痢・嘔吐のみで重症化はしない。EHECではHUSを発症すると重症化する。

 

💡HUSの診断基準は?

HUSの診断基準はないが、3主徴は以下の通り。

⭕3主徴:

・溶血性貧血(破砕状赤血球を伴う貧血でHb10g/dl以下)

・血小板減少(血小板数10万/μl以下)

・急性腎機能障害 

⭕随伴する症状:

・中枢神経症状:意識障害、けいれん、頭痛など。

・その他:肝機能障害(トランスアミラーゼの上昇), 肝内胆管・胆嚢結石, 膵炎、DICを合併することがある

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