胃管挿入で誤嚥性肺炎は防げるか?
経口摂取で誤嚥性肺炎を起こして胃管挿入となることがあるが、胃管挿入でも誤嚥性肺炎は起こってしまう。
○理由1:多くの栄養剤は液体であるが、粘度の低い液体では十分に胃壁を進展させることができないため胃の蠕動運動が起こりにくくなってしまう。
→栄養剤が胃より下に降りていってくれない
○理由2:噴門・幽門による逆流防止機能が十分に発揮されず、食道への逆流が起こってしまうことがある。
これらを抑えるために、投与する栄養剤の種類や量・流量を変更する。
✅栄養剤の調節
半固形化栄養剤の使用を検討する。半固形化栄養剤とは液体と固体の両方の属性を持つ物体。半固形化栄養剤は粘度が高いので胃内に貯まると胃壁を進展して胃の拡張することで逆流予防+胃の蠕動運動促進が期待できる。
例:ラコール®NF、PGソフト
✅栄養剤の投与量の調節
初回は100ml/回程度で開始し、腹部症状が出現しなければ200ml/回→300ml/回と増量していく。
✅投与速度の調節
投与速度が早いと嘔吐・腹部膨満、下痢などの腹部症状を誘発しやすくなる。最初は緩徐な速度(100ml/時)程度で開始し、徐々に増速する(200ml/時間〜300ml/h)。
✅体位の調節
・胃食道逆流を防ぐため、経管栄養中の姿勢は45度~60度に調節する。
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