FFP輸血の適応

FFP(fresh frozen plasma、新鮮凍結血漿)投与の適応

 

FFPには血小板以外のすべての凝固因子が含まれている。急性出血で凝固因子が失われている場合、止血されにくくなるのでFFP投与の適応となる。

 

✅FFP輸血をいつ考えるのか:(by厚生労働省の指針、AARBガイドライン)

・活動性の出血で抗凝固薬内服中であったり、肝機能異常がある場合

・Fib<150mg/dLなどフィブリノーゲンが低い時・それ以下に進展しそうな時

・PT①INR2.0以上のとき、②30%以下の時

・APTT:基準値上限の2倍以上の時

・ワーファリン使用に伴う頭蓋内出血時など

 

実際に、FFPを投与される状況で多いのは、急性の出血でRBC輸血をする際にセットでFFPを輸血する状況である。出血による凝固因子欠乏+RBC輸血による凝固因子の希釈が起こるため。

 

✅FFPは何単位オーダーするのか

エビデンスがあるわけではないが、一般的にはFFP:RBC輸血の単位の比率は1:1〜2.5程度で行う事が多い(RBC輸血を4−6単位行ったらFFP輸血を2単位施行するという塩梅)。しかし、急性出血で凝固因子の欠乏が判明していればよいが、そうでない場合は、最初からFFP輸血は不要であることも多い(Fib濃度が低くない場合など)。

 

RBC6単位程度の輸血であれば、最初からFFPも一緒に投与しなくてすむことも多い(Fib<150以下でないか確認は必要)。それ以上のRBC輸血が必要であればFFPも並行して投与も考慮する。

 

ちなみにFFP2単位で Fib10-20mg/dL上昇するとされている。凝固因子は正常の2割程度あれば止血可能と言われるが、fibは正常の60%程度が止血可能なラインとされてる(=100mg/dL)。よってフィブリノーゲンを採血で確認して特別低くなければ他の凝固因子も止血においては十分にあると考えられる。

 

 

✅FFP輸血時の注意点

37度で融解するが、高温での融解や3時間以内に輸血しないと凝固因子が失活してしまうので注意。

 

参考:科学的根拠に基づいた新鮮凍結血漿(FFP)の使用ガイドライン 【改訂第 2 版】

http://yuketsu.jstmct.or.jp/wp-content/uploads/2019/09/93d53d67fd376a90326fecfb443f2d4a.pdf

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