珍しい疾患のご紹介
会話している時のみのめまいや呼吸困難、動悸という変わった主訴に注意
→音声誘発性の心房性頻脈
症例1)
58歳男性。主訴は話すときに起こる断続的なめまいと動悸
心電図モニターでは語句を話しているときは心房期外収縮が認められ、文章を喋っているときは持続性の心房頻拍を認めた。
話すのをやめるとすぐに洞調律化。不整脈はどのような話し言葉でも再現性良く誘発されたが、音のない口の動きや深呼吸などでは出現なし。
心臓超音波検査や胸部CTでは突起すべき異常なし
機序としては反回喉頭神経から心房自律神経節への一過性の迷走神経刺激により、異常なトリガー活動が生じるものと考えられる。
症例2)
他の報告でも63歳の男性が主訴:会話時のめまいと呼吸困難の訴えで心電図モニターで同様の所見が確認された。電気生理学的検査にて話しているときに不規則な心房頻拍発作が誘発され、電気解剖学的マッピングで最早期興奮部位が左心房のroofであることが確認された。同部位にアブレーションを施行することによって不整脈は停止した。これも反回神経から左房神経節への異常な遠心性の刺激によるものと推測されている。
参考文献)
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