SLEなど膠原病疾患によって発症した肺高血圧症に対して免疫抑制剤は有効なのか
少し古い報告ですが
・8人の患者(4人がSLE、4人がSLE+SSc)が対象
・経口カルシウム拮抗薬、経口プロスタグランジン、利尿剤などを2−3週間投与し、反応がないため免疫抑制剤を開始
・免疫抑制剤開始前の肺動脈収縮期圧は60.8±9mmHg
・ステロイド内服(0.5mg/kgー1.0mg/kg)の場合もあればステロイドパルス+シクロスフォスファミド投与のケースもある。
・8人中7人が肺動脈収縮期圧が改善した(1人は感染症で死亡)
・ステロイドテーパリングは緩徐に。全員10mg/day以上は続けている
・SELや混合結合組織病に伴う血管抵抗の増加に部分的に炎症性病変が寄与していることを示唆するものである。
・免疫抑制剤でサイトカインの産生抑制、肺血管内皮細胞や浸潤リンパ球の接着分子の発現や活性化の抑制をする可能性がある
・肺血管の病的変化が不可逆的になっている長期の肺高血圧症では免疫抑制剤は奏効しない可能性があると考えられる。
・PAHの早期発見および早期介入が重要
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