呼吸器– category –
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ARDSの診断基準
ARDSは肺炎などの感染症や重症外傷などによって高サイトカイン血症が生じることで血管透過性亢進によって引き起こされる肺水腫、高度の低酸素血症である。急激に進行する呼吸困難、胸部レントゲンで両側肺野全体のびまん性浸潤を呈することが多いとされる... -
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健常者でも肺底部に出現するすりガラス影(重力効果)
胸部CTを仰臥位で撮影すると健常者であっても肺底部背側にすりガラス影がみられることがある。仰臥位においては一番低い肺底部背側の静脈圧・リンパ管圧が高まり、肺末梢間質の容積が増えてしまうことにより、肺実質が圧排されてしまうからである(つまり... -
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COPDの重症度分類と治療法
💡安定期のCOPDの管理(by COPD診断と治療のためのガイドライン2022) 💡スパイロメトリーによるCOPD重症度分類 慢性症状の有無と%FEV1(吸った空気を一秒間でどのぐらい吐き出せるのか健常人に比べて何%かという値で気道制限を表す)で重症度判定を... -
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FEV1%と%FEV1の違い
FEV1%と%FEV1の違い(似ている用語の整理) FEV1は先に%がつくか、後に%がつくかで意味合いが異なる。 ◯まずFEV1(fored expiratory volume in 1second)について FEV1とは”一秒量”のことで息をいっぱいに吸い込んだときから出来るだけ早く息を吐き... -
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脾臓摘出患者に肺炎球菌ワクチンを打つ理由
肺炎球菌は莢膜という膜を持つため好中球の貪食に抵抗性を示す。 故に、肺炎球菌防御の主体は脾臓によるトラップということになるが、何らかの理由により脾臓摘出している患者では肺炎球菌の病原性をもろに食らうことになるため、抑えることが出来ずに短... -
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咳喘息を疑ったら
咳喘息と喘息(=気管支喘息)の違い ◯咳喘息とは 中枢から末梢気道まで全体的に好酸球性の気管支炎を起こす病態である。病態としては気管支喘息(つまり喘息)と同じであるが、症状としては咳がメインという点で異なる。気道が過敏になっており風邪ウィ... -
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wheezeの重症度分類(silent chestとは)
◯wheezeとは 下気道の細い気道が閉塞することにより聞こえる「ヒュー、ヒュー」というような高い雑音。笛音とも呼ばれる。原因としては気管支喘息や炎症などによって気道内の分泌物が貯留することが考えられる。 聴診で聞こえるのは主に呼気だが吸気に聴か... -
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喘息に診断基準はないという話
気管支喘息には所謂診断基準は存在せず、問診、既往歴、呼吸機能検査、抗原検査から総合的に判断しなければならない。故に喘息の診断は難しい。 診断基準はないが、診断の目安はガイドラインに記載されている。(GINA criteria) 1,発作性の呼吸困難、... -
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喘鳴と喘息の違い
ちょっと似ている言葉の定義の整理 ◯喘鳴とは 聴診器無しで聴かれる異常呼吸音。喘鳴は吸気時に聴こえるか呼気時に聴こえるかで鑑別が変わる。吸気時の場合は上気道の狭窄を示唆するのに対して、呼気時の喘鳴は下気道の狭窄を示唆する。 ◯喘息とは 慢... -
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喘息を疑う症状と検査(感度と特異度)
喘息を示唆する病歴と身体所見(感度と特異度) どんな症状が喘息を疑う指標になるのか。その重要度合いメモ 【症状、検査】 喘鳴+呼吸困難:感度65.2%、特異度95.2%、陽性尤度比13.3 夜間呼吸困難:感度46.2%、特異度96%、陽性尤度比12 感冒の既...