心エコー– category –
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心不全におけるTRPG値の解釈
心不全におけるTRPG値の解釈 TRPG(transtricuspid pressure gradient)=三尖弁圧較差のこと。TRPGはドップラーエコーで三尖弁逆流の血流速度を求めることによって、簡易ベルヌーイの式により算出可能である。 すなわち、 TRPG=4×(TRVmax)の二乗=推... -
心エコー:菲薄化とエコー輝度上昇について
⭕心筋梗塞後の特徴的な心エコー所見・局所的壁運動の異常 ・収縮期の壁厚増加の減少または消失(通常は拡張期よりも収縮期の方が壁厚が増加する所見が得られる)。 ・心筋の局所的な菲薄化(≦0.6cm) ⭕菲薄化について 心筋の局所的な菲薄化は虚血性心疾患を... -
心エコーの解釈:E/e'について
⭕E/e'は何を意味するのか E/e'は左房圧の評価として用いられる指標。E/e'は肺毛細血管楔入圧(PCWP)と関係すると言われており(r=0.87)、両指標には良好な正の相関が認められる。E/e'が15以上であればほぼ全例で左房圧上昇をきたしていると考えてよいし、... -
心エコー:LVOT径の測り方
心エコーでのLVOT径の測り方メモ ・LVOTとは左室流出路のこと (エコー図を2つほど紹介) ◯LVOT径を測ると何がわかるか? ・LVOTの直径を求めることで左室流出路の断面積が求まる(半径×半径×π) ・一回拍出量(SV)=VTI×LVOT断面積 ・心拍出量(CO)=S... -
少量心嚢液でも心タンポナーデになる理由
心嚢液が多量に貯留している場合は心タンポナーデを想起しなければならない。 が、心嚢液が少量であっても急速に貯留した場合は心タンポナーデになりうる。 何故か。 心臓を包んでいる心膜は左心系の拡張能に影響を与える。 心膜は伸展性に乏しい組織で... -
心嚢液貯留が急性か慢性かの判断
⭕心タンポナーデ ・心エコーで心嚢液貯留を中等量以上認める場合は心タンポナーデを鑑別に挙げる (少量でも急性に貯留した場合はタンポナーデになりうる) ・心タンポナーデになると頸静脈怒張,低血圧,心音減弱(Beckの3徴)がでるのでそれを意識する... -
心エコーにおける心拍出量の解釈
心エコーにおける心拍出量の求め方 ・パルスドップラー法で一回心拍出量を求めには まず、傍胸骨肥左縁短軸像で左室流出路の直径(D)を計測する。 (*このD値は重要なのでズーム機能を用いて拡大して流出路の前後径(D)を収縮中期の時相で内膜〜内膜... -
心エコーの解釈:左房の拡大
●左房拡大の定義 ・左房系は傍胸骨長軸像の断層像で収縮末期系を計測する。男性で4.0cm、女性で3.7cmより大きければ左房拡大と定義する。 が、近年は左房の大きさの評価に左房前後径測定は推奨されていない。左房が拡大する時は必ずしも均等に前後径、横径... -
左室拡張末期圧(LVEDP)について
⭕LVEDPとは 心不全を定義するなら1つは「末梢の組織の需要に合うだけの血液を送り出すために左室拡張末期圧を上昇させなければならない場合」、もう1つが「末梢の組織需要に対して心臓が血液を送り出せていない場合」である。 左室拡張末期容積は前負荷... -
心エコーでの右室拡大の鑑別
心エコーで右室拡大を見たら考えるべき病態 →右室圧負荷、右室容量負荷、右室心筋疾患 (心エコーでの右室拡大の一例) ●右心系の圧負荷をきたす病態 1,肺高血圧あり、左房圧上昇なし=肺血管の問題 →原発性肺高血圧症、膠原病、慢性肺塞栓症など →...
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