消化器– category –
-
barrett食道へPPIは必要なのか?
バレット食道は食道がんのリスクとして知られている。 内視鏡検査でバレット食道を見つけた時の対応: バレット食道は食道下端の扁平上皮が円柱上皮に置換される病態のこと。 逆流性食道炎で食道部分が胃酸に晒されることでバレット食道が生じるとされてい... -
胸焼けの症状の患者全員に内視鏡は必要?
内視鏡の積極的な適応は? 胸やけ症状を認める患者では、器質的疾患を疑うサイン(40歳以上、癌や潰瘍の既往、NSAIDsを服用、癌の家族歴、 6カ月以内の予期しない体重減少、貧血など)がみられない場合には、PPI常用量を1~2週間内服させ、胸やけ症状の変... -
ピロリ菌の検査比較
一言:ピロリ感染胃炎と診断するのには内視鏡検査が先。内視鏡で胃炎の確定診断がされてないとピロリ菌の各種検査は行えない。(直近6ヶ月以内の内視鏡が必要) ピロリ菌に感染していると必ず慢性活動性胃炎になるので、胃がんのリスクが有る。日本では必... -
逆流性食道炎にPPIをいつまで投与するか?
保険的な話 PPIは逆流性食道炎には8週間、十二指腸潰瘍には6週間の処方が認められている。 それ以上の処方をする場合は、「維持療法の必要な難治性逆流性食道炎」という病名で維持療法の適応となる。(*PPIの中でもパリエット20mgは維持療法が認められ... -
腹部レントゲンでのケルクリング襞とハウストラの見分け方
イレウス/腸閉塞により腸管が拡張すると、小腸・大腸でそれぞれ特徴的な所見が認められる。 ・小腸がガスで拡大する時に見えるのがケルクリング襞。 ・大腸がガスで拡大する時に見えるのがハウストラである。 ケルクリング襞の方が細かいシマシマ模様で... -
ニボー像だけで腸閉塞とは言えない理由
立位の腹部XPで二ボー(鏡面像)が見えただけで腸閉塞と言ってはならない。 二ボーの存在は腸管の中に液体と気体があるということしか意味しない。(+地球に重力があることも示唆する)。 その先の腸管が閉塞しているかどうかは別の話である。 腸閉塞の所... -
腸管出血性大腸菌感染症(EHEC)とHUSについてメモ
・軽症では問診と診察で臨床診断される。 ・軽症例では通常行われないが、確定診断には便検査(便培養、抗原検査)が必要。 ・感染性腸炎の中でも腸管出血性大腸菌感染症(EHEC)と溶血性尿毒症症候群(HUS)には注意が必要。日本では最も重症化しやすいと... -
肝酵素上昇の原因と鑑別
肝酵素上昇の原因と鑑別 まずASTやALTなど肝逸脱酵素がメインで上がっているのか、それともALPやγGTPなど胆道系酵素がメインで上がっているのか、それとも両方とも上がっているのかをみる。 一般的に… ・トランスアミナーゼ>500でALP<正常上限の3倍であ... -
急性肝炎の劇症化のリスク:与芝の式
急性肝炎をみたら劇症化するかどうかを予想する。 ◯劇症肝炎とは 劇症肝炎とは、肝炎ウイルス感染、薬物アレルギー、自己免疫性肝炎などが原因で短期間で広汎な壊死が生じ、進行性の黄疸、出血傾向及び肝性脳症などの肝不全症状が出現する病態のこと。「... -
門脈ガスと胆道気腫の違い
◯門脈ガスとは CTなど画像検査で門脈系の静脈から肝内門脈に至る血管内にガスが存在する。多くの場合は先行する腸管壊死があり、それにより腸管内の空気が門脈系に移動した状態であり、腸管虚血を発症してからかなり時間が立っていることが多い。上腸間膜...