消化器– category –
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胆石発作でのウルソの適応
胆石発作でのウルソの適応メモ 症候性胆石発作では外科治療の適応ではあるが、手術希望がないときなどウルソを考慮。胆石の状況によって奏効率は大きく異なる。特に次のような条件を満たした時に奏功しやすい。 【ウルソの適応】 ・症状が軽度のみ ・<... -
薬剤性肝障害を考えたら
・肝胆道系酵素上昇をみたら、根拠もなく薬剤性と思い込まずに肝障害をきたしうる他の原因を丁寧に除外する。 ・薬物性肝障害ではAST,ALT上昇メインの肝細胞障害型とALP、γGTP上昇メインの胆汁うっ滞型、あるいは両方が混在したタイプといずれの可能性も... -
肝酵素上昇の原因を網羅的に調べる時の項目
・A型肝炎 →IgM-HA抗体とHA抗体 初感染を示唆するIgM-HA抗体陽性であれば急性A型肝炎と診断できる。 HA抗体はIgM、IgA、IgGの各クラスの総和であるが、その大部分はIgG。 よってHA抗体が強陽性であればA肝炎の既感染と考えることができる。 ・B型肝炎 →H... -
ALP、γGTP上昇をみたら
ALP,γGTP上昇の原因 まずASTやALTなど肝逸脱酵素がメインで上がっているのか、それともALPやγGTPなど胆道系酵素がメインで上がっているのか、それとも両方とも上がっているのかをみる。 端的に言えば ・トランスアミナーゼ<500でALP>正常上限の3倍で... -
脂肪肝を疑った時のマネジメント
脂肪肝とは 肝臓の小葉の1/3以上の幹細胞に中性脂肪からなる脂肪滴の貯留した状態を言う。 脂肪肝の原因 ・アルコール(大酒家の80%以上が脂肪肝というデータあり) ・肥満、過剰な高カロリー輸液、糖質の過剰摂取、低栄養 ・代謝異常(糖尿病、脂質異常... -
急性膵炎を疑ったら
急性膵炎を疑ったら ◯いつ急性膵炎を疑うか ・突然の腹痛で発症(上腹部痛40%、全体の痛み30%、臍周囲20%ほど) (随伴症状は嘔吐や高熱、背部痛などもある。ちなみに、急性膵炎の10%は無痛と言われており採血や画像で引っかかったら痛みが何... -
PPIの使い分け
NSAIDS胃潰瘍やピロリ菌による胃潰瘍あるいは逆流性食道炎などに対してプロトンプンプインヒビター(PPI)が用いられる。ガイドラインではそれぞれのPPIの効果に違いは無いとされており、どれを使っても問題はないがそれぞれの違いについて簡単にまとめ。 ... -
上部消化管出血らしい所見(下部消化管出血と比べて)
上部消化管出血か下部消化管出血か迷ったら 吐血、下血が主訴の救急患者においてはそれが上部消化管からの出血なのか、下部消化管からの出血なのかの鑑別が重要である。食道静脈瘤破裂や出血性胃潰瘍など上部消化管出血であれば緊急内視鏡で止血しなけれ... -
皮膚が黄色くなっても眼球結膜黄染がない場合…
みかんを食べすぎると皮膚が黄色になって黄疸と間違われる事があるがこれはカロテノイドという色素の一種、βクリプトキサンチンという物質が原因。βクリプトキサンチンは脂溶性物質なので手のひらや足の裏など脂肪の多い皮膚に沈着する。 一方で黄疸の原因... -
HCV抗体とHCV-RNAの解釈
HCV抗体とHCV-RNAの関係について復習的まとめ C型肝炎の診断においてHCV抗体とHCV-RNAが用いられる。C型肝炎の感染経路としては医療現場においては針刺し事故や注射器の使い回しなど。感染後急性肝炎となっても30%は自然に治癒し、70%は慢性化する。慢...