CTですりガラス影を認めたときのチェックポイント
区域性とは気管支や肺動脈に沿った陰影
非区域性とは気管支や肺動脈の広がりとは関係なく分布するもの
肺炎で言えば最近性は区域性(主に肺炎球菌)、ウィルス性であれば非区域性のことが多い。
肺葉全体に広がったすりガラス影においては区域性・非区域性の判断は難しい。
区域性の一例
◯非区域性の一例
地図状分布の広がりとはすりガラス陰影の境界が明瞭で斑状に分布している所見。
地図状分布の広がりがあると、鑑別としては薬剤性肺障害、ニューモシスチス肺炎、剥離性間質性肺炎(DIP)などが上がる。
両肺のびまん性すりガラス陰影で胸膜直下の変化所見は鑑別に役に立つ
◯胸膜直下が蜂巣肺、網状影:UIP(usual intersitial pneumoniaパターン)。蜂巣肺があればUIPパターンで網状影のみであればprobable UIPパターン。
蜂巣肺とは、IPFの診断基準であるにも関わらず、読影者間の一致が高くない。特徴としては、肺気腫で見られるような壁の薄い嚢胞ではなく、1-3mm程度と比較的壁厚のある3-10mm程度の嚢胞状気腔の集簇である。胸膜直下優位に見られる。胸膜下より内側で壁を共有しない離散的な集簇は牽引性気管支拡張を考慮する。
網状影とは:細かな網状の陰影のことを言う。網状影が何層にも重なって胸膜直下に出現していると蜂巣肺を考える。
◯陰影回避とは:すりガラス陰影の胸膜直下の陰影回避(sub pleural sparing):肺水腫や肺胞蛋白症を考える
◯小葉間隔壁肥厚=細肺静脈やリンパ管のうっ滞をしめし、肺水腫を考える
◯牽引性気管支拡張とは:特発性間質性肺炎で線維化が進行すると構造改変が起こり、気管支、肺動静脈など正常構築が変異し、肺容積は現象する。更に高度線維化が起こると牽引性気管支拡張および再気管支拡張が起こる。終末像は蜂巣肺。牽引性気管支拡張の特徴は広狭不整を伴った歪んだ形状の気管支であり、鋸歯状で末梢に広がるように拡張する気管支である。横断像のみでは小嚢胞構造に見めることがあり、蜂巣肺との区別が難しく、多方向からの観察が必要である。
◯Crazy-paving patternとは:すりガラス陰影の内部に線状あるいは網状影が重なって見られ、それら線状・網状影がネットワーク状に重積して認められる。鑑別としては肺胞蛋白症や急性期間質性肺炎、ARDS、肺水腫、ウィルス性肺炎でなど幅広い疾患で見られる。
また追記します。
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