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バセドウ病の診断と鑑別
バセドウ病の診断は①甲状腺中毒症状があること②TRAb陽性の2点で診断ができる。 本来は放射線ヨードで甲状腺接種率が高値であることで確定診断が必要であるが、検査の出来ない医療機関ではTRAb陽性でバセドウ病とみなして治療を開始している。 エコーでは... -
伝染性単核球症の類縁疾患
EBV以外の病原体によって伝染性単核球症と似たような症状を呈する事があり、単核球症類縁疾患(単核球症様疾患)と言われている。 単核球症類縁疾患のご紹介 ・CMV単核症:サイトメガロウイルス感染 伝染性単核球症に比べると咽頭痛などの局所症状に乏しく... -
糖尿病腎症と他の腎症の鑑別
糖尿病患者の腎機能低下に関しては、単純に糖尿病が悪さをしているのか、それとも他の原因が隠れているのか判断に迷うことがある。 他疾患鑑別のために腎臓内科コンサルト・腎生検を考慮したほうが良いのはどういうときか? 他疾患との鑑別 ・糖尿病発症の... -
振戦の鑑別・対応
どういうときに振戦が起こるのか ・安静時振戦:パーキンソン病 ・姿勢時振戦:本態性振戦、薬剤性、代謝性、小脳疾患 ・企図振戦;血管障害、脱髄、腫瘍、小脳変性症 発症経過による鑑別 ・急性発症:代謝性(甲状腺、肝機能障害(羽ばたき振戦)、アルコ... -
慢性膵炎フォロー時のTIPS(記載中)
慢性膵炎の血液検査 採血でのチェック項目 ・アミラーゼ、リパーゼの評価(急性膵炎の可能性の評価) ・血糖値、HbA1c(糖尿病) ・肝胆系酵素(胆道狭窄などの評価) ・CEA,CA19-9(膵癌) ・総コレステロール、総蛋白、アルブミンなどの栄養状態(吸収障... -
バセドウ病でのメルカゾールの減量方法
メルカゾール(5mg)減量のメソッド ・2週間毎に採血が出来る時: ・FT3が基準値内まで下がった場合メルカゾールを減量する。 ・FT3が急速に改善している場合はメルカゾール2錠に、緩徐に改善している場合はメルカゾール2.5錠(2錠と3錠の隔日) ・メルカゾ... -
ピロリ菌の検査比較
一言:ピロリ感染胃炎と診断するのには内視鏡検査が先。内視鏡で胃炎の確定診断がされてないとピロリ菌の各種検査は行えない。(直近6ヶ月以内の内視鏡が必要) ピロリ菌に感染していると必ず慢性活動性胃炎になるので、胃がんのリスクが有る。日本では必... -
線維筋痛症TIPS
線維筋痛症とは体の広範囲の慢性疼痛とこわばりを主症状とする。随伴症状として倦怠感、疲労、抑うつ、認知機能低下など多彩な随伴症状を呈しうる。原因は手術などの強い身体的ストレスの他、精神ストレスも誘引となりうる。精神的な疾患とも捉えられるが... -
主訴:果物を食べると口の中がかゆい(OAS)
果物や生野菜を食べると口の中が痒くなる→口腔アレルギー症候群(oral allergy syndrome=OAS)の可能性を考える。 口腔アレルギー症候群とは ・果物や生野菜を食べると口の中(口腔粘膜、舌、喉の奥)にかゆみの症状が出たり、鼻水、鼻詰まりや目の充血、... -
逆流性食道炎にPPIをいつまで投与するか?
保険的な話 PPIは逆流性食道炎には8週間、十二指腸潰瘍には6週間の処方が認められている。 それ以上の処方をする場合は、「維持療法の必要な難治性逆流性食道炎」という病名で維持療法の適応となる。(*PPIの中でもパリエット20mgは維持療法が認められ...