・遺伝性血管性浮腫(HAE)は遺伝性の血管性浮腫。
・クインケ浮腫はHAEを含む血管性浮腫の別名。(つまりクインケ浮腫の方が広い概念)
・急速に腫れるという点では両者は似ているが原因が異なり、治療法も異なる。
症状としてはまぶたや唇、皮膚が突然腫れるのが典型的。
数時間のうちに浮腫が完成し、3日間程度で消失する。
かゆみを伴わず、非対称、そして非圧痕性浮腫である。
・家族歴:HAEは遺伝性疾患であり、家族歴があるあどうか確認。3/4人は家族内発症。1/4人は孤発。
・発症時期:HAEは小児期・思春期に多いが、クインケ浮腫は成人発症が多い。
・蕁麻疹の有無:クインケ浮腫は蕁麻疹を伴うが、HAEは蕁麻疹なし。皮膚は腫れるが境界がわかりにくく掻痒感などもない。
・腹痛の有無:HAEは腹痛を伴うことがある。
・特発性血管性浮腫:原因不明のクインケ浮腫が全体の半数程度ある。
・アレルギー性血管性浮腫:食べ物や薬剤へのアレルギー反応で起こる
・物理刺激による血管性浮腫:温熱、冷感、外傷、ストレス、日光など
・薬剤性:ACE阻害薬、ペニシリン、解熱鎮痛薬、経口避妊薬などによるもの
・遺伝性:①C1インヒビターの欠損、②機能異常、③凝固第7因子の遺伝子異常
HAEでは補体C4濃度の低下、C1インヒビターの機能低下、C1インヒビターの遺伝子異常がある。(なお、HAE3型ではC4やC1インヒビターの異常は起こらないが、日本での報告例はない)
逆に他のクインケ浮腫ではこれらの異常は起こらない。
疑わしい患者がいれば、まずはC4やC1インヒビター活性の低下を見る。
また、蕁麻疹を伴う血管性浮腫では血清総IgE値、アレルゲン特異的IgEを測定してアレルゲンの特定を試みる。
HAEではステロイドや抗ヒスタミン薬の効果が無いが、HAE以外のクインケ浮腫では抗ヒスタミン薬やステロイドが効果を示す。
また追記します。
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