サイログロブリン(Tg)測定の意義

サイログロブリン(Tg)は甲状腺特異抗原である。

甲状腺濾胞上皮細胞のみで産生され、甲状腺ホルモンT3やT4は再ログリブリンのチロシン残基のヨード化と縮合により生成するため甲状腺ホルモン産生に必須。

甲状腺分化癌全摘術後の経過観察に有用。

甲状腺がないのに血中Tgが高ければ、どこかに分化型の甲状腺がんの再発が考えられる。

 

注意点

・Tgだけでは甲状腺結節の良性・悪性の診断はできない。

・甲状腺がん以外にも橋本病や甲状腺炎などでもTgは上昇する。甲状腺触診を強めに行うだけでも上昇する。

・頚部痛患者でTgを測れば甲状腺疾患の除外には有用。

・TgAbが存在するとTg測定系に影響を与えるためTgの値は低くなる。

・Tgは甲状腺組織で産生されるため、未分化がんや低分化癌では多くの場合Tgは低値。

・Tgをマーカーとして使うには甲状腺が完全に廃絶されていることが条件(全摘+放射性ヨード内服療法によるアブレーション)

・小さなリンパ節転移ではTgが上昇しないこともある(超音波検査でもフォロー)。

 

甲状腺分化癌部分切除の場合でも術後の経過観察にある程度有用だが、併存する甲状腺疾患の影響が出るので、術前および術後早期の測定値との比較が必要である。

 

 

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