甲状腺結節への対応

甲状腺結節への対応

 

・甲状腺結節は加齢とともに増加する。他疾患精査の際に偶発的に見つかることが多い。

・甲状腺結節の原因として、過形成によるコロイド甲状腺腫、甲状腺炎、甲状腺嚢胞、甲状腺腺腫、甲状腺がんなどがある。

・甲状腺がんのリスク因子:未成年、小児期の外照射歴、男性、甲状腺がんの家族歴、甲状腺部分摘出術歴の既往あり、孤立性結節、非常に硬い結節、頸部のリンパ節腫大、嚥下障害・発声障害、急速なサイズの増大、PET陽性

 

検査:

・TSHおよび抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体を調べる。

TSHが抑制されている(TSH<1mU/L)場合は放射線ヨードによる甲状腺シンチグラフィーを考慮。放射性核種の接種率が上昇している結節が悪性であることは殆どない。

・甲状腺機能検査でバセドウ病や橋本病などが示唆されなければ、穿刺吸引細胞診を実施して良性・悪性結節の鑑別を行う。*シンチグラフィーよりも穿刺吸引の方が経済的にはエコである。

 

💡甲状腺結節に対する穿刺吸引細胞診の適応基準(甲状腺結節取り扱い診療ガイドライン2013)

①充実性結節

(20mm径より大きい場合、10mm径より大きく超音波で何かしらの悪性所見がある場合、5mm径より大きく超音波で悪性を強く疑う場合)

②充実性部分を伴う嚢胞性結節

(充実性部分の径が10mmを超える場合、充実性部分に悪性を疑う超音波検査所見がある場合)

③既往歴、家族歴、臨床所見で甲状腺がんの危険因子がある場合

 

 

💡エコーでの悪性所見:

甲状腺がんを示唆するエコー所見:低エコー、境界不整、結節内の血管分布の増加、不規則な巨大石灰化、横断像で高さが幅よりも長い(甲状腺髄様がん)

 

参考)

・甲状腺結節取り扱い診療ガイドライン

・MSDマニュアル

・優しく解説:甲状腺疾患の診断と治療

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