ER– category –
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尿毒症による意識障害はいつから現れるか?
意識障害の鑑別で有名なAIUEOTIPSのうちのU=Uremia(尿毒症)は具体的にどのような状況下で疑うべきなのだろうか。 一般的には慢性腎不全が進行して尿毒症という状態になると、倦怠感、吐き気、食欲低下、頭痛、呼吸困難、出血症状など様々症状が出現しう... -
神経所見すべて陰性のめまい患者。入院か帰宅かの判断は?
突然発症のめまい患者の診察で大事なのは中枢性めまいか末梢性めまいかの鑑別である。眼振含め中枢性めまいを疑う神経所見がない患者でめまいが持続しているとき、同アプローチしたら良いのだろうか。 頭部CTは急性期脳梗塞の感度が低いため陰性でも脳梗... -
めまい患者の診察では膝かかと試験も忘れずに
主訴がめまいの患者が来院された時には基本的に一通りの神経診察をする。 特に小脳梗塞を疑い協調運動障害があるかどうかも調べるわけであるが、バタバタしているなどの理由で指鼻指試験だけで小脳症状はなしと考えられてしまうことがある。 小脳の運動... -
中枢性めまいはMRIでは除外できないという話
めまい患者の対応でいちばん大事なのは脳血管障害による中枢性めまいなのか、それともBPPVや前庭神経炎などの末梢性めまいなのかの鑑別である。 神経診察が最も重要ということは言うまでもないが、眼振含め神経所見が全く異常のない場合はやはり画像検査... -
胆石発作でのウルソの適応
胆石発作でのウルソの適応メモ 症候性胆石発作では外科治療の適応ではあるが、手術希望がないときなどウルソを考慮。胆石の状況によって奏効率は大きく異なる。特に次のような条件を満たした時に奏功しやすい。 【ウルソの適応】 ・症状が軽度のみ ・<... -
栄養障害患者に最初から高エネルギーを投与してはいけない理由
◯栄養は少なければ栄養障害、多ければ過剰栄養 栄養投与量は必要量を下回れば栄養障害を招いて筋肉も弱っていってしまうが、必要量を大幅に上回ってしまうと過剰栄養になり脂肪肝になる他、感染症など様々な合併症のリスクが上昇してしまう。 ◯絶食患者... -
複数の酸塩基平衡のある血液ガスの解釈
複数の酸塩基平衡のある血液ガスの解釈メモ ◯例1 pH:7.30,PaCO2:23,HCO3-:12.4,Na120,Cl87,乳酸27.mg/dl ・アシデミア ・HCO3-が低下しているので代謝性アシドーシス ・HCO3-が基準より11.6低下しているので、11.6×1.4=16.2程度CO2低下で代償さ... -
心房粗動をみたら
メモ 【一般的な話】 ・心房粗動(AFL)は心房細動(Af)と似ているところと違うところを抑える ・Af同様に、脳梗塞のリスクがあるため抗凝固薬で脳卒中予防を行う。 (心房粗動の方がリスクは少し低いが無視できない) ・Afと異なり心房粗動は自然停止し... -
肝酵素上昇の原因を網羅的に調べる時の項目
・A型肝炎 →IgM-HA抗体とHA抗体 初感染を示唆するIgM-HA抗体陽性であれば急性A型肝炎と診断できる。 HA抗体はIgM、IgA、IgGの各クラスの総和であるが、その大部分はIgG。 よってHA抗体が強陽性であればA肝炎の既感染と考えることができる。 ・B型肝炎 →H... -
発作性心房細動に対して抗不整脈薬とDCのどちらを選ぶか
Pafに対してDCを選択するのは ・患者が希望している場合 ・抗不整脈薬による除細動が困難な場合 ・抗不整脈薬の使用がDCよりも危険と判断される場合 (特に心肥大・心不全・虚血性心疾患など器質的疾患に合併したAfでは抗不整脈薬が効きにくく、催不整脈作...