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(症例)内頸静脈からCVC挿入時に気をつけたい血管奇形(PLSVC)
症例:79歳男性 現病歴:尿道カテーテル挿入の患者がseptic shockを発症。急性腎不全あり無尿の状態。腎代替療法を開始するために右内頸静脈から透析カテーテルを挿入した。 カテは抵抗なくスムーズに挿入できた。 その後のカテーテル先端確認のレントゲン... -
バリウム検査後の腹痛に関して
・バリウム虫垂炎 バリウム虫垂炎は、消化管造影検査後に虫垂にバリウムが残存することで発症する疾患であり、消化管穿孔するリスクも有る。頻度としては決して高くないが、検診でのバリウム検査は非常に多いため、遭遇する可能性は決して稀ではない。 ち... -
CRP上昇のない発熱の鑑別
そもそもCRPとは CRP(C反応性蛋白)は細菌感染の際に肝臓で合成が促進され血中濃度が上昇する。故に感染症を疑う時はルーチンで測定されるマーカーである。 CRPは細菌の細胞膜であるリン脂質二重層に結合し、凝集することで免疫システムの補体を活性化し... -
救急外来TIPSもくじ
救急外来TIPS的な記事のもくじ(絶賛工事中…) ☕(医師国家試験用)「とある医学生の雑記帳」時代の残骸 ↑医学生時代の医学部生向けの記事はこちらに少しまとめてます↑ ☕主訴からの鑑別(鑑別に関する記事) ・失神の鑑別診断 ・主訴:頭痛の鑑別診断 ・... -
(症例)飲酒時のみに起こる激痛
飲酒後の疼痛を主訴に患者が来院されたら何を考えるか。 既往歴は特になく、健康。 飲酒は機会飲酒であるが、お酒を飲んでしばらくすると首のあたりがものすごく痛くなる。飲むたびに痛くなる。痛くて飲酒をやめてしまう。 最近体重がすこし落ちてきて微... -
(症例)喋っている時だけに起こるめまい・動悸
珍しい疾患のご紹介 会話している時のみのめまいや呼吸困難、動悸という変わった主訴に注意 →音声誘発性の心房性頻脈 症例1) 58歳男性。主訴は話すときに起こる断続的なめまいと動悸 心電図モニターでは語句を話しているときは心房期外収縮が認め... -
感染性腸炎の原因と潜伏期間
感染性下痢症の原因微生物の鑑別メモ ***細菌性*** ✅カンピロバクター腸炎 鶏肉・肉から感染。 潜伏期間2−10日間。血便あり。 下痢・高熱・腹痛あり。ギラン・バレー症候群発症リスクあり。 ✅黄色ブドウ球菌 おにぎりや弁当など直接手指を... -
鼠径リンパ節腫大の鑑別診断
局所リンパ節腫大の原因検索 リンパ節の腫大を発見したら… ✅まず問診するべきは ・発症時期と経過(数日単位なのか数年単位なのか) ・B症状:発熱、体重減少、盗汗の有無 ・局所の症状:疼痛や周囲の熱感など ・既往歴:アトピーや結核など ・内服薬... -
臥位で改善する呼吸苦とは
臥位で改善する呼吸苦の原因 心不全であれば座ると呼吸苦が改善し、臥位で呼吸苦が出現する=起座呼吸 その逆で、臥位で呼吸苦が改善する病態がある→扁平呼吸(platypnea-orthodexia syndrome) 扁平呼吸の診断は座位と臥位でのPaO2(SpO2)の差を調べること... -
急性腎梗塞の診断にDダイマーは有用か?
急性腎梗塞(ARI)の有病率は0.007%-1.4%との報告がありまれな疾患であるが、救急外来に時々きうる致死的な疾患でもある。側腹部痛で受診されることが多いが、混雑している救急外来では尿路結石と誤診されてしまうことも少なくない。 従来の報告では急性腎...