血液検査– category –
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C3,C4、CH50測定の意義
補体についておさらい 補体活性には大きく分けて3つの経路がある。古典経路、副経路、レクチン経路である。 古典経路:抗原抗体のきっかけで反応が開始 副経路:病原体にC3が結合することで開始 レクチン経路:MBL(マンナン結合タンパク)に病原体表面... -
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フィブリノーゲン測定の意義
フィブリノゲン測定の意義 ●まず血液凝固カスケードについて復習 #1 新しい抗凝固薬の展望 | Expert Keynote | Clotman Press | 疾患情報エリア | イグザレルト.jp フィブリノーゲンは下図のようにEドメインをDドメインで挟まれたような構造をし... -
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低血糖で死亡する機序
心肺停止の鑑別診断で6H6Tが有名。↓参考 ◯低血糖でなぜ死ぬのか 低血糖の症状としては一般的に次のように言われている。 血糖60以下:発汗、同期、熱感、不安、悪寒 血糖50以下:脱力、疲労感、眠気、めまい 血糖40以下:嗜眠 血糖30以下:け... -
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白血球検査(機械分類と目視法の違い)
白血球測定においては機械分類と目視分類とがある。 名前の通り機械分類は機械を使って大量の白血球を自動で分類してくれる。一方で目視法というのは100個程度の白血球を検査技師が顕微鏡下で肉眼的に観察して好中球や好酸球など割合の分類を行ってくれる... -
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ASO高値の原因とその解釈
ASO(antistreptolysin O)とは抗ストレプトリジンO抗体のこと。 ストレプトリジンとはレンサ球菌属の産生する細胞溶解その1つであり、A群ベータ溶連菌が血液寒天培地でβ溶血するのに必要な物質でもある。ASOはA群ベータ溶連菌に感染した際に、A群が産生... -
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高尿酸血症への対応
日本痛風・核酸代謝学会の診断基準によれば男女を問わず、7.0mg/dlを超えると高尿酸血症と定義されている。 ◯尿酸高値=痛風ではない 尿酸は人では溶解度が約7.0mg/dlと言われており、それ以上の高濃度になると尿酸は関節などに沈着して痛風を発症させる... -
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軽度貧血の患者にすぐ輸血してはいけない理由
【貧血の基準】 成人男性 Hb14 g/dL未満 成人女性 Hb12 g/dL未満 高齢者 Hb11 g/dL未満 急性に消化管出血が起こっていてどんどんと貧血が進行している場合などでない限り、慢性の軽度貧血患者にすぐに輸血をしてはならない。例えば高齢者でHb9-10だと貧... -
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鉄欠乏性貧血に鉄剤をいつまで続けるか
鉄欠乏性貧血をみつけたら… 多くの場合は鉄欠乏性貧血(高齢者の消化管出血だったり、女性の月経によるものであったり)。鉄欠乏性貧血はヘモグロビンの材料となる鉄がないために赤血球の袋に入るコンテンツがなくなり、低色素性小球性貧血となる。 診... -
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無症候性低Na血症が転倒リスクを増大させるという話
無症候性低Na血症が転倒リスクを増大させるという話 Mild chronic hyponatremia is associated with falls, unsteadiness, and attention deficits. - PubMed - NCBI によると 簡単にまとめ 122人の患者が対象(平均年齢72±13歳) 血中ナトリウ... -
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肝胆系酵素上昇の原因と鑑別
肝胆系酵素上昇の原因と鑑別 まずASTやALTなど肝逸脱酵素がメインで上がっているのか、それともALPやγGTPなど胆道系酵素がメインで上がっているのか、それとも両方とも上がっているのかをみる。 端的に言えば ・トランスアミナーゼ<500でALP>正常上限...