低Na血症でサムスカ(トルバプタン)投与をいつ考えるか

低Na血症でサムスカ(トルバプタン)投与をいつ考えるか

 

SIADHによる低ナトリウム血症においては、ADHが亢進して水の再吸収が亢進してしまうことにより低ナトリウム血症になっている状態であるので、ADHを抑制するサムスカは良い適応であると思われる。SIADHの診断基準の1つにも「低ナトリウム血症があるにも関わらず、ADH値が感度以上である」というものがある。(逆にADHが抑制されている状態の低Naではサムスカは効果は期待できない)。

 

意識障害や嘔吐など症候性の低ナトリウム血症では速やかに補正できる3%生理食塩水の使用が望ましいが、緊急的な補正が必要でない場合はサムスカは1つの選択肢である。ただし、サムスカでは予想以上に急激な補正が起こってしまい橋中心髄鞘崩壊症が起こるリスクもあるため、利尿薬や水分制限、生理食塩水投与でも改善が見込まれない場合などに投与を考えるのが無難である。

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