小児科– category –
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吸引反射の方法とその意義
吸引反射(sucking reflex)とは口唇を口角から中央に向かって舌圧子などですばやくこすると、口唇が収縮して口が尖らせたようになり乳児が乳を飲むのに似た運動を起こす反射。また、この時に口唇に接触したものを口の中に入れようとする反応が診られること... -
脳性麻痺と小児麻痺の違い
似てる言葉の整理 ◯脳性麻痺とは 脳性麻痺とは周産期の脳障害を原因とする永続的な運動障害の総称。具体的には受胎から新生児期(生後4週間)までの間に生じた脳の非進行性病変に基づく永続的、しかし変化しうる運動及び姿勢の異常と定義される。正常発... -
グリセリン浣腸と高圧浣腸の違い
グリセリン浣腸とは便秘患者に対してグリセリンを肛門から入れることにより排便を促す浣腸。グリセリンは浸透圧が高いので直腸内に入ったグリセリンは腸管外から水を引っ張ってきて便を柔らかくする効果がある。すると、直腸内圧が高まり内肛門括約筋が弛... -
陥没呼吸のメカニズムとその重症度判定
陥没呼吸とは努力呼吸の様式の1つ。呼吸筋疲労や気道の狭窄などで吸気時の仕事量(エネルギー)が増加してしまっている状態。 陥没呼吸のメカニズムとしては、気管支喘息、COPD、呼吸窮迫症候群(RDS)などの原因で気道の狭窄が起こっていると、息を吸... -
低酸素で肺血管が攣縮するのは何故か
肺血管は低酸素になるとその部分で血管収縮が起こり血流を減少させることが知られている(=低酸素性肺血管攣縮)。これは酸素の少ない肺血管にいくら血流を送ってもガス交換を期待できないため、酸素の十分にある他の肺血管に血流をその分回すことでガス... -
小児の頭部外傷でCTを取るべきかどうか
小児の頭部外傷でCTを取るべきかどうか イギリスのNICEガイドラインによると以下の場合を頭部CTの適応と定めている。 【NICEガイドライン:national institute for health and clinical health excellence】 1、5分以上の意識消失 2、5分以上の健忘 ... -
ウェスト症候群の治療でビタミンB6やACTHが用いられる理由
west症候群でvitB6やACTHを用いるのは何故か 【ウェスト症候群とは】 乳児期に様々な脳の障害を背景として発症する難治性てんかんであり、精神運動発達の退行を伴う。シリーズ形成性のてんかん性スパズム、脳波上のヒプスアリスミア、精神運動発達の停止... -
妊娠糖尿病の新生児が低カルシウム血症となる理由
妊娠糖尿病の新生児が低カルシウム血症となるのは何故か 出生後72時間以内に低カルシウム血症をきたすものを早発型の低カルシウム血症というが、妊娠糖尿病から生まれてくる新生児も早発型低Caとなるリスクが高い(頻度としては約25-50%)。 ・前提... -
シングルバブル、ダブルバブル、トリプルバブルサインの違い
シングルバブル、ダブルバブル、トリプルバブルサインの違い シングルバブル、ダブルバブル、トリプルバブルサイン、これらはいずれも消化管の閉鎖、狭窄によって出現するレントゲン状の所見である。紛らわしいので整理。 Single bubble signとは:肥... -
魔乳とは何か
魔乳(奇乳)とは何か 男児女児に関わらず、新生児ではおよそ1/3の割合で乳房が腫大しており、また刺激するとそのおよそ半数が乳汁様の液体を分泌する。母体から胎児に移行したエストロゲンとプロラクチンが乳腺を刺激することによると考えられている。...