再生不良性貧血の治療に蛋白同化ステロイドが用いる機序

再生不良性貧血の治療に蛋白同化ステロイドが用いる機序

 

再生不良性貧血とは骨髄における造血幹細胞レベルに障害が起こり、汎血球減少をきたす疾患である。原因としては造血幹細胞自体が器質的に異常をきたしている場合と免疫学的な機序が考えられる。

治療は造血幹細胞移植や免疫抑制剤がスタンダードであるが、、蛋白同化ステロイド(アンドロゲン)が治療に用いられることがある。蛋白同化ステロイドとはスポーツ選手などが筋肉増大を目的に用いる薬ということで悪名高いが、なぜ再生不良性貧血の治療薬として用いられうるのか。

機序としては蛋白同化ホルモンにはエリスロポエチンの産生促進や造血幹細胞の刺激作用があるとされている。エリスロポエチンを産生することによって赤血球への分化が促進され、また造血幹細胞自体を刺激して造血能力自体を上昇させようという試みである。ただし、投与をやめれば造血能力はふたたび低下してしまうえ、肝臓へのダメージや無月経、性器の男性化などの重大な副作用があるので積極的に用いられることはないようである。

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