感染症– category –
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感染症
抗真菌薬の作用機序
真菌の3つの細胞構成成分に作用する。 真菌は哺乳動物細胞には存在しない細胞膜ステロールのエルゴステロールを合成する。アゾールは真菌細胞の小胞体でエルゴステロールの合成を阻害する。アムホテリシンBのようなポリエンは細胞膜のエルゴステロールに... -
感染症
BCGとツベルクリンについて
BCGとはウシ型結核菌を弱毒化した細菌、およびそれを利用した結核に対するワクチンのこと。BCGの名前の由来はパスツール研究所の研究者の名前である=Bacille Calmette-Guerin(カルメットとゲランの菌) 従来行われていたツベルクリン反応検査はBCGワク... -
感染症
結核菌と非結核性抗酸菌の違い
結核菌とらい菌を除く抗酸菌を非結核性抗酸菌と呼ぶ(=NTM)NTMは環境中に広く存在し、健常人からも検出される菌である。逆に言うと、免疫力が低下した場合に日和見感染症の原因となりうる。 ■結核菌と非結核性抗酸菌(NTM)の違い 毒性:結核菌は強い、... -
感染症
殺菌作用と静菌作用の違い
抗菌薬は菌を死滅させる作用、つまり殺菌作用をもつ殺菌性抗菌薬と、死滅させずに増殖や発育を抑制する静菌作用をもつ静菌静抗菌薬に分けられる。 一般に、殺菌性といわれる抗菌薬にはペニシリン、セファロスポリン、網のグリコシド、バンコマイシン、ニ... -
感染症
MRSAの耐性メカニズム
抗菌薬の多用によって黄色ブドウ球菌の多剤耐性が大きな問題となっている。 そもそもは黄色ブドウ球菌に対してペニシリンGが有効であった。 しかし、後にペニシリナーゼというペニシリンGのベータラクタム環を切断する酵素を獲得する。その後、メチシリ... -
感染症
ニューキノロンとオールドキノロンの違い
■ニューキノロンとオールドキノロンとは 細菌がDNAを複製・転写するときに必要な酵素であるDNAジャイレースを阻害する。いわゆる核酸合成阻害薬。広域スペクトラムであり非定型細菌にも有効。 (*DNAジャイレースとはDNAの超らせん構造を調節する際に働... -
感染症
ミカファンギンナトリウムの作用機序
ミカファンギンナトリウム(商品名:ファンガード)の作用機序 ミカファンギンナトリウムは,リポペプチド系抗真菌物質のキャンディン系抗真菌薬である。ミカファンギンは,真菌細胞壁の主要構成成分である1,3-β-glucanの生合成を非競合的に阻害し,深在... -
感染症
クロラムフェニコールの作用機序
クロラムフェニコールは クロラムフェニコールは原核生物である細菌の 50S リボソームに結合する。リボソーム上でのペプチド鎖移動を司るペプチジルトランスフェラーゼを阻害し、タンパク質合成を妨害することにより細菌の増殖を止める。一方、真核生物... -
感染症
β-D-グルカン上昇の意味するもの
β-D-グルカンは真菌の細胞壁の主な構成成分である。 多くの深在性真菌症では血中のβ-D-グルカンが上昇するので真菌症を疑う場合のスクリーニングには非常に有用。ただし、真菌の属に特異的ではないので、どの真菌かはわからない。更に、食道カンジダ症のよ... -
感染症
グラム陽性菌と陰性菌の違い・覚え方・ゴロ
グラム陽性菌・陰性菌とは何か 一般的に細菌はグラム染色によってグラム陽性菌と陰性菌に分けられます。 グラム染色の原理: 固定した全ての細菌をクリスタル紫で染色したあと、ヨード処理をしてアルコール脱色を行います。ここで脱色されないものがグラ...