産婦人科– category –
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卵巣出血についてのメモ書き
救急外来において女性の下腹部痛では骨盤炎症性疾患、子宮外妊娠、卵巣出血、卵巣嚢腫茎捻転など産婦人科疾患も疑う必要がある。 ・卵巣出血とは卵巣の血管の断裂によって腹腔内出血を呈する状態であり、症状としては、急激な下腹部痛で受診することが多... -
PIDと虫垂炎を鑑別する3つのポイント
PIDとは若い女性に好発する上部生殖管の感染症。子宮内膜や卵管、付属器は本来無菌状態であるが、下部生殖器の膣、外陰部、子宮頸部に感染した微生物が上行性に上部生殖器に波及するとPIDとなる。(PIDとはpelvic inflammatory diseaseの略= 骨盤内炎症性... -
女性の下腹部痛へのアプローチ
…ただいま編集中 女性の下腹部痛へのアプローチ まず、妊娠しているか妊娠していないかが大きなポイント (産科的疾患なのか、婦人科的疾患なのか) ✅妊娠しているかどうか問診・検査 月経歴:最終月経がいつか、その前の月経はいつだったか。 性交... -
適時破水、前期破水、早期破水の違い
陣痛発作によって胎児を包んでいる卵膜が破れて、中の羊水が外へ流れ出ることを破水と言う。破水は起こるタイミングによっていくつかに分類されている。 適時破水とは: 子宮口全開大の頃に破水すること。正常な時期の破水。 前期破水(premature rupt... -
人差し指と薬指の長さの比率から”男らしさ”がわかるという話
人差し指と薬指の長さの比率から”男らしさ”がわかるという話 人は胎生期に精巣が作られるとそこからアンドロゲンの分泌が始まるが、ある時期(妊娠12〜22週)の間に特に大量のアンドロゲンが分泌される(=アンドロゲンシャワー)。アンドロゲンは生... -
妊娠糖尿病の新生児が低カルシウム血症となる理由
妊娠糖尿病の新生児が低カルシウム血症となるのは何故か 出生後72時間以内に低カルシウム血症をきたすものを早発型の低カルシウム血症というが、妊娠糖尿病から生まれてくる新生児も早発型低Caとなるリスクが高い(頻度としては約25-50%)。 ・前提... -
reassuring fetal statusとは何か
reassuring fetal statusの意味 reassure=安心させる、元気を与える fetal=胎児の status=状態 日本語にそのまま訳すと”安心させてくれる胎児の状態”というような意味になる。 NST(ノンストレステスト)、つまり人工的なストレスを加えない自然な状... -
胎嚢と胎芽の違い
胎嚢と胎芽の違い 精子と卵子は受精して受精卵になると、分割を進めながら子宮腔に移動して胞胚となる。胞胚期の状態で子宮内膜に着床して初めて妊娠が成立する。その後、母体の栄養をもらいながら胚は成長して大きくなっていくわけであるが、妊娠4週ご... -
流産と死産の違い
死産の定義は妊娠12週以降に子宮内で胎児が死亡した状態で出産される状態をいう。死産には人工死産と自然死産があり、人工死産とは胎児が母体内で生存しているにもかかわらず、人工的に死に至らしめて娩出することをいう。一方で、自然死産とはそれ以... -
反復流産と習慣流産の違い
自然分娩における流産の頻度はおよそ15%と言われているが、単純に掛け算をすると2回流産をする確率は15%×15%=2.25%であり、3回連続流産をする確率は同様に計算して0.34%となる。2回流産を繰り返すと反復流産、連続3回以上の自然流産を繰り返した...