インスリン療法にてインスリン初期投与量の決め方

糖尿病患者が入院してきた場合、漫然とスライディングスケールでインスリン投与を続けるのは望ましくない。インスリンスライディングスケールでは高血糖になってからインスリン投与量を決めて下げるので、禁忌がない限りは生理的な血糖コントロールが可能なインスリン強化療法の開始が望ましい。

*インスリン強化療法に関しては↓記事参照

インスリンの投与量は具体的にどの程度を考えればよいのか

一般的に、2型糖尿病のインスリン導入には現体重あたり0.2単位/kgを目安にインスリン総投与量を決定する。

1型糖尿病の人であれば0.4単位/kgが目安。

例えば体重60kgの人であれば0.2×60kgで12単位を一日投与量とする。インスリン強化療法で超速効型食前3回+持効型1日1回で合計4回インスリン投与する場合であれば、一日合計の12単位を4で割って1回3単位という計算になる。

*ただし、一日の総投与量をどのように分割するかは主治医の裁量に任される。一般的には打つ回数で割ることが多い。

*糖尿病網膜症があったり低血糖の既往があり心配が強い場合であれば体重あたり0.1単位/kgで慎重に開始することもあるし、1型糖尿病でインスリン分泌が枯渇している場合は0.3-0.4単位/kgと多めの投与となる。

1日に推定必要量は体重あたり0.2単位/kgである。1型糖尿病では0.4単位/kg。

その40〜50%を持効型で残りを3分割して(超)速攻型で投与する。

インスリン分泌予備能が保たれている場合や腎不全、肝硬変(低血糖リスクが高い)の場合など

持効型は使わず、速効型のみで開始するこうともある。各食前に体重あたり0.05単位。50kgの人なら各食前に2−3単位で開始。

BOTの場合

外来で経口血糖降下薬に加えて、持効型インスリンを上乗せする場合は体重1kgあたり0.1単位を追加で出す。

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