糖尿病患者の外来でのフォロー(合併症監視)

●基本となる検査

・身長、体重、BMI

・血糖値(空腹時血糖、随時血糖)

・平均血糖値(HbA1c)

・尿検査:尿糖、尿蛋白、尿ケトン

・血圧

・脂質(TC、HDL、TG、LDL)(LDL=TCpHDL-TG/5)

●合併症予防の検査

・眼科受診(眼底検査)

糖尿病性網膜症は失明の原因2位。

単純網膜症→増殖前網膜症→増殖網膜症のように進展して失明に至る。

重度の網膜症は急速な血糖降下で一時的に悪化する可能性があるので注意。

1年に1回は眼科フォローを指導する。

・尿中アルブミン、血中Cr、eGFR

尿蛋白を測定する。陰性であれば尿中アルブミン/クレアチニン比を測定する。

微量アルブミン尿の場合は4ヶ月毎に随時尿で再検し、3回中2回以上微量アルブミン尿陽性であれば早期腎症と判断する。

糖尿病性腎症と診断されれば、血圧が正常であっても腎保護のためにACE阻害薬かARBを導入する。

また糖尿病性腎症であれば塩分制限(6g/day以下)、カリウム制限(2g/day)、蛋白制限(1kgあたりのタンパク量0.8-1g)が推奨される。

・神経障害(腱反射、振動覚、足のチェック)

糖尿病性末梢神経障害の出現をチェック(モノフィラメントによる触覚検査、C128音叉による振動覚検査、アキレス腱反射など)

・自律神経障害の評価には起立性低血圧、心電図のRR間隔変動係数をチェック

・神経伝導検査は糖尿病性神経障害の確定診断に必須であり,無症候性神経障害を含めた糖尿病神経障害の早期診断に有用

・診断にあたっては糖尿以外の原因による末梢神経障害を除外することが必要(家族歴、アルコール摂取量、胃切除の既往(ビタミンB12欠乏)、甲状腺機能低下症など。急速な進行であればCIDPなども考慮。

診断基準の紹介

急激に血糖コントロールを改善すると有痛性治療後神経障害を引き起こすことがある。

・末梢神経障害の対症療法としては神経障害治療薬、抗うつ薬、抗てんかん薬などの投与が有効。

プレガバリン150mg-600mg/dayなど。ビタミンB12はよく使われるがエビデンスが無い。

・動脈硬化(心電図、胸部レントゲン、ABI、頸動脈エコー等)

また追記します。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

コメント

コメントする

目次