せん妄起こしそうな患者がベンゾジアゼピン定期内服していたら

ベンゾジアゼピン系薬剤は言わずとしれたせん妄の誘発因子。

何らかの原因で入院になっても内服を継続するとせん妄を発症するリスクが有る。

◯パターン1:入院時よりせん妄起こしてる場合

もし、入院時でせん妄を発症もしくはいかにもせん妄を発症しそうであったら、ベンゾジアゼピン系薬剤は強制終了。ただちに、抗精神病薬(リスパダール、セロクエルなど)でせん妄治療を開始する。

◯パターン2:ベンゾ大量に飲んでる場合

もし多剤のベンゾジアゼピン系薬剤を内服している場合、せん妄のリスクであるのは間違いないが、同時にすべてやめてしまうことでベンゾジアゼピン離脱症状をきたしかねない。

一部中止や減量などで経過を見る。(精神科コンサルトが望ましい)。

◯パターン3:入院時にせん妄の兆候がない場合

短時間作用型のベンゾジアゼピン内服していれば長時間作用型のベンゾジアゼピンに置き換える(ドラール15mgあるいはメイラックス1mgなど)。同時にトラゾドン(デジレル®25mg)も併用する(*デジレル=抗うつ薬であるが、入眠効果があり、ベッド上ゴソゴソ・多弁などに有効。適度な鎮静。半減期が短いので持ち越し効果を避けやすい。不眠時は頓服で鎮静傾向精神病薬で対応。

3−4日様子見て、問題なければ長時間作用型ベンゾを半量に減量する。デジレルはこのまま継続。そして鎮静作用のある抗精神病薬を少しずつ開始。(セロクエル12.5〜25mg、コントミン12.5mgなど)

更に3−4日様子みてからベンゾジアゼピンは中止。デジレルと抗精神病薬で続ける。

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