薬理– category –
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PPIを食前に服用する理由
PPI(proton pump inhibitor)は胃壁細胞のプロトンポンプに結合することで胃酸分泌を抑制する薬である。逆流性食道炎などの治療で用いられる。 PPIの例としてオメプラール、タケプロン、パリエット、ネキシウムなど。 PPIがプロトンポンプに結合するた... -
ロキムコとは何か(→NSAIDS潰瘍の予防)
ロキムコとは何か ロキムコとはロキソニン+ムコスタを合わせた俗語。 NSAIDS鎮痛薬であるロキソニンは胃粘膜障害をしてしまうので、それを保護する意味合いで胃薬であるムコスタ(レバミピド)が一緒に処方されることが多い。ムコスタは胃粘膜でのプロ... -
めまいにATPが効く理由
めまいにATPが効く理由 ATP(アデノシン三リン酸)(商品名;アデホスコーワ) ATPとはグルコースを分解してできる高エネルギーリン酸化物質であるが、めまいの治療に対しても頻繁に用いられている。 めまい症例に対するATPの臨床治験(耳鼻臨床 72: 1... -
めまいにメイロンが効く理由
めまいで救急外来を受診される患者にほぼルーチンでメイロン(炭酸水素ナトリウム)が投与される。どういう作用機序でめまいに効くと考えられているのか? メイロンの成分はHCO3-なので、これが血管内で分解されて HCO3- + H2O→H3O + CO2 となる。CO2に... -
喘息発作に対して硫酸マグネシウムを使う理由
喘息発作に対して硫酸マグネシウム(MgSO4)を使う理由、機序 硫酸マグネシウムを静注することにより血中内にMg2+イオンを入れることが出来る。Mgイオンは筋肉の収縮に用いられるCaイオンと拮抗する。Mgイオンは副作用の少ない天然のカルシウムブロッカー... -
神経遮断の順番とその覚え方
局所麻酔をすると神経伝達をブロックすることが出来るが、運動神経、感覚神経、交感神経でそれぞれ麻酔が作用する閾値が異なる。それぞれの神経の太さが異なり運動神経>知覚神経>交感神経の順に細くなっていく。 (運動神経は直径12−20μm,触覚・圧覚神経... -
エフェドリン、ネオシネジンの違い
エフェドリン®(塩酸エフェドリン)、ネオシネジン®(塩酸エチレフリン)の違い 全身麻酔中は麻酔薬による血管拡張や交感神経遮断によってしばしば血圧の低下が見られる。その対応として用いられる薬剤でエフェドリンやネオシネジンが代表的である。 こ... -
フェンタニルとレミフェンタニルの違い
フェンタニルとレミフェンタニルの違い フェンタニルもレミフェンタニルもオピオイドに分類される薬剤。 【オピオイドとは…】 紀元前からケシから採取されたアヘンが鎮痛薬として用いられてきた。19世紀にはいるとアヘンからモルヒネが単離され、そ... -
アドレナリンとエピネフリンの違い
アドレナリンとエピネフリンの違い アドレナリンもエピネフリンも全く同じ薬。歴史的経緯により2つの名前がある。 薬理作用としてはα作用(血管収縮作用)とβ作用(心収縮作用)を併せ持ち、血圧低下などの場合において昇圧目的に用いられる。他にもβ2... -
整腸剤の科学的エビデンス
下痢に対して処方されることの多い整腸剤(ex,ミヤBM、ビオラクチス、ビオスリー、ビオフェルミン、ラックビー等…)。調べると次のようなエビデンスが有る。 www.ncbi.nlm.nih.gov まとめ ・8014人の患者(小児含む)メタアナリシス ・整腸剤使用で下...