アルブミンは栄養の指標として用いてよいのか?

・アルブミンは栄養の指標として用いられるのが一般的な時代もあった。

・しかし、現在欧米の学会ではアルブミンは入院患者においては炎症による変化が大きいため、疾患の重症度や予後の指標としては良い指標になるが、現在の栄養状態を表す指標としては適切ではなく、栄養状態の評価に用いてはならないとされている。アルブミンは低栄養以外の要因にもおおっきく影響されるだけでなく、炎症性サイトカインによて肝臓のアルブミン合成が抑制されるため、炎症の存在時には血清アルブミン濃度は低下し、低栄養の指標としての血清アルブミン濃度の意義は限定的である。(実際、アルブミンが低値なのに体重も多く低栄養とは思えないような患者もいる一方、アルブミンは保たれているが、食事摂取低下およびるいそう著明で見るからに栄養不良ということもありうる。)

・炎症と栄養は関連が不膜、炎症が続く状態では代謝、異化が亢進し、栄養状態も悪化しやすい。また異化が亢進している状況は栄養補給にも反応しづらいため、アルブミンが低い患者はイコール栄養不良ではなく、栄養不良のリスク患者である(栄養不良は、栄養素の不足する状態で、栄養素の投与によってのみ改善する状態と定義される)。

https://www.ncgg.go.jp/hospital/iryokankei/nst/40.html

参考:NSTガイドブック2023、国立長寿医療センターHP

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