消化管穿孔に関するメモ書き

穿孔の考え方:

・腸管内エアーのように見えてもよく目を凝らしてみると連続する構造は存在せず、腸管外とわかることもある。

わかりにくい場合は放射線技師に相談し1mm厚程度のthin sliceを作成してもらう。冠状断や矢状断も作成してもらい、多方面から穿孔らしき部位を見る。輪切りに見える方向からみるとよく分かる。

・内視鏡検査の合併症などでの穿孔は大量のフリーエアとなることがあるが、そうでなければ少量のフリーエアということもありうる。少量だから否定することはない。微量でもあればそれは腸管穿孔を考える。

・フリーエアは重力の反対側、つまりおなか側に行きやすいのでまずは注目。一方で、少量の場合は腸間膜にひっかかった状態で存在していることもある。

・十二指腸潰瘍穿孔

肝表面や脾臓周囲のフリーエア。十二指腸潰瘍がもとであれば、限局する壁肥厚や脂肪織濃度上昇あり。

十二指腸は後腹膜臓器なので、腸管外ガスは後腹膜に出現することがある。

・小腸穿孔

原因:小腸潰瘍、異物、腫瘍、外傷など

小腸穿孔による腹腔内フリーエアは微量で腸間膜や前方腹膜に認められることが多い。腹部鈍的外傷での穿孔は多い。外傷後数時間後に初めてフリーエアが出現してくることもあるので、重篤な外傷の場合は必ずフォローが必要。

・大腸穿孔

原因:憩室炎、腸閉塞、悪性腫瘍やバリウム検査後の穿孔、宿便性穿孔、魚などの異物などがある。

腹痛患者の問診で排便後か魚を食べたかなど大事。

◯宿便性穿孔の場合、糞便が腸管外に飛び出すdirty mass signが見られる。腸管内の便と区別がつきづらいこともあるが、前後の連続性や腸管壁がないことなどで鑑別を行う。

◯下部穿孔は敗血症性ショックに注意。逆に言うと、高齢者で腹痛のはっきりしないsepticを見た時に、穿孔が原因ではないかと考えることも大事。

また追記予定です。

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