入院患者の発熱(尿路感染症)に対する抗生剤の選択

入院後48時間以降の発熱の場合は、医療関連感染を想定してSPACEの菌を考慮する。

入院患者の発熱で頻度が高いのが尿路感染症(特にバルーン挿入例)。

尿路感染症と診断した場合はエンピリックに抗生剤加療をすることになるが、致死率の高い緑膿菌のカバーが必要。(症例により腸球菌もカバー)

初期治療ではグラム陰性菌のSPACEのカバーは必須

SPACE(医療関連感染で起こるグラム陰性菌をSPACE

S:セラチア

P:pseudomonas(緑膿菌)

A(アシネトバクター)

C:サイトロバクター

E:エンテロバクター

医療関連感染とは、中心静脈カテーテル感染、尿路カテーテル感染、手術部位感染、医療関連肺炎など。SPACEの中でも緑膿菌が最もおっかない。医療関連感染が疑われる場合は緑膿菌感染を視野に入れて抗菌薬を選択する。

初期治療における第一選択薬はゾシン(ピペラシリン・タゾバクタム)、第4世代セフェム(セフェピム)、カルバペネム系(メロペン)など。しかし、カルバペネムはがESBLなども含まれるので不必要には使うべきではない。

感受性判明後に、可能であれば狭域抗生剤に変更する。

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