入院患者の発熱=8Dを評価する

発熱の2大原因は肺炎、尿路感染症であるが、これらが違えばそれ以外の原因を考えることが重要である。8Dという有名な覚え方がある。

入院中の患者が熱発した場合の主な鑑別

Drugs=薬剤熱

Devices=デバイス(カテーテルやペースメーカ関連など)

CPPD=偽痛風/痛風

DVT=深部静脈血栓

Debris=胆泥/胆嚢/胆管炎

Difficile=クロストリジウム腸炎

Decubitus=褥瘡

Deep abscess=深部膿瘍

ポイントをまとめると

足を見る(DVT)、関節を見る(痛風/偽痛風)、ルート刺入部を見る(デバイス感染)、抗生剤+下痢ならCD+GDHの検査する、腹痛がないか(胆嚢炎/胆管炎)、深部膿瘍(単純CT/造影CT)

薬剤熱:

感染と違って意外と元気。抗生剤、利尿薬、抗けいれん薬などが原因となりうる。比較的徐脈を呈することもある。

比較的三原則という言葉がある=比較的(元気・徐脈・CRP低値)

デバイス:

CVCが原因として多いが、末梢静脈のルートでも原因となる。(発赤や熱感がないことも多いので難しいが、疑ったら交換が無難)

CPPD:

原因不明の発熱では関節の炎症に気をつける。意識的に探さないと度々見逃される。意外と多い。

CD関連腸炎:

抗生剤治療中に下痢症状があればまず想起する。GDH抗原とCD毒素の2つを評価する。CD毒素が陽性であれば確定。

胆嚢炎:

腹部の診察はしっかりと行う。また、セフトリアキソンによる薬剤性の胆石症もしばしば見られる。

深部膿瘍:

腸腰筋膿瘍は疼痛による股関節の可動域制限を遠なう。股関節の屈曲により疼痛が増悪する。(腸腰筋徴候)CT検査がゴールドスタンダード。感度は単純が78%、造影で86%というデータがある。単純CTの場合は左右差がないか見る癖をつける。発症から5日以内は感度は低くなることを知っておく必要がある。発症6日目以降は感度が非常に高くなる。後で取り直すと判明することがある。

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