梅毒陽性への対応

梅毒のスクリーニング検査RPRとTPHAの見方

非トレポネーマ(RPR)検査陽性非トレポネーマ(RPR)検査陰性
トレポネーマ検査(TPHA)陽性・現在の感染を意味する真の陽性。
非トレポネーマ抗原定量が増加していれば活動性の感染、治療中で低下していれば奏功している。
偽陽性として:他のスピロレータ感染症やSLEなどがある。
梅毒感染の初期
生物学的偽陽性
トレポネーマ検査(TPHA)陰性過去の梅毒感染歴(現在の活動性はない)

梅毒感染の初期
梅毒否定
もしくは梅毒感染の極初期

・TPHA(トレポネーマ検査)は感度・特異度が優れているが、抗体価は病勢と関係せず、治癒後も1度陽転化したら生涯持続する。

・RPR(非トレポネーマ検査)は感度・特異度ともに劣るが、抗体価が病状の指標となり、治癒後には陰性化する。(RPRは8倍以上で治療対象とされる。低くても症状が明らかなら治療対象)

・高齢者では、治療を要しない陳旧性梅毒の他、慢性感染症などによる生物学的偽陽性や歯周病による偽陽性も多いため、むやみに患者扱いをしない配慮が必要

スクリーニングで陽性の場合

TPHA、RPRの定量検査を提出する。

梅毒の身体所見

梅毒とは?原因・症状・検査・治療など | 新宿駅前クリニック泌尿器科
引用:https://www.shinjyuku-ekimae-clinic.info/hinyoukika/baidoku.html

・まず、皮疹や粘膜疹は素手で触らないように注意!

・皮疹は手掌、足底、口腔内、陰部などで目立つことが多い。その他どこにでも出現しうる。

・リンパ節腫大(鼠径部に多いが、どこにでも起こりうる)

・症状は非常に多岐にわたる。原因不明の臨床症状を見たときは梅毒のスクリーニングは必要。

治療

・治療は常にペニシリンGが第一選択。国内では2021年に承認された筋注用ベンザチンペニシリンGがを使用する。

・筋注が困難な場合位は次の処方。

・サワシリン500mg3錠分3 28日間+ベネシッド250mg3錠分3 28日間

・なぜベネシッドを使うか?:プロベネシッドはもともと血中濃度のあがりにくいペニシリンの血中濃度を上昇させる薬として研究開発された。ペニシリンの血中濃度を上昇させる機序は尿細管の排泄遅延による。

*原則は筋注だが、アモキシシリン、アミノベンジルペニシ リンの内服でも治療可能で、1 回 500 mg を 1 日 3 回とガイドラインには記載してあります。

・治療効果の判定はRPRとTP抗体を4週間毎に測定する。PRP陽性梅毒であれば、自動化法によるPRP定量値が治療前の1/2に減少していれば治癒と判定する。

・抗菌薬を投与する場合は、治療開始後数時間で、発熱、全身倦怠感、悪寒、頭痛、筋肉痛、発疹の増悪の可能性(Jarisch -Herxheimer現象)を事前に説明しておく。

記載中、また追記します。

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