無菌性髄膜炎への対応TIPS

いつ髄膜炎を疑うか(ルンバールを行うか)

・数日感に渡って高熱+頭痛が続くとき

・髄膜刺激兆候があるとき

・先行感染があるとき(性器ヘルペス、帯状疱疹、ムンプスウィルス感染などなど)

・CRPは陰性(完全に正常値)で有ることも少なくない(髄膜内にウィルス・細菌がトラップされている場合)

細菌性髄膜炎を考慮(血液培養、抗生剤治療)

・細菌性髄膜炎を否定できない場合(細胞数増多が著名、タンパク増多が著明、多形核球優位、髄液糖の低下がある、易感染性宿主である等)

→細菌性髄膜に準じて、血液培養・抗生剤投与を行いながら鑑別を進める

脳炎の合併に注意(頭部MRI考慮)

・髄膜炎は頭痛、発熱、項部硬直、嘔吐などの症状。

・脳炎は意識障害、運動障害、感覚障害、異常行動など大脳実質障害に伴う症状を伴う。

→入院時に頭部MRIを施行しておくことが重要(特に単純ヘルペス脳炎の可能性を考慮)

無菌性髄膜炎の鑑別

ウィルス性(HSV、MCV、HHV6、EBV、エンテロウィルス、CMVなど)

自己免疫性(サルコイドーシス、SLEなど)

真菌性(クリプトコッカス、カンジダ、アスペルギルス等)

結核性

その他(薬剤性(NSAIDs等)、梅毒、寄生虫、癌性髄膜炎など)

ルンバール時のルーチンのオーダーについて

髄液(一般、HSV DNA PCR、クリプトコッカス抗原)

髄液培養(細菌、真菌、結核)、血液培養2セット

血液検査(糖、ACE、梅毒)

ルンバールの解釈

ウィルス性髄膜炎は発症直後は多形核球優位で徐々に単球優位に移行する)

無菌性髄膜炎の評価のための検査

・全身造影CTを考慮(真菌感染@肺病変、サルコイドーシス、悪性腫瘍の評価)

治療

無菌性髄膜炎の可能性が高ければ基本的には対症療法となる。

・鎮痛薬:NSAIDsは無菌性髄膜炎の原因とも知られるので、アセトアミノフェン考慮

・アシクロビルの投与(HSV,VZVをカバーできる。HSV脳炎の場合は必須であるが、脳炎を疑わない場合には副作用に留意しながら使用検討)

・抗生剤:細菌性髄膜炎を否定できない場合使用するが、血液培養陰性を確認したら中止とする。

その他

留意しておきたい髄膜炎として

・モラレ症候群(再発患者)、エルスバーグ症候群(排尿障害の出現)

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

コメント

コメントする

目次