肝硬変患者の食事オーダー

肝硬変患者にどんな食事のオーダーをするか

肝硬変に対する食事療法のコンセンサスとして,ヨーロッパ静脈経腸栄養学会(ESPEN)のガイドラインがよく知られています。このガイドラインで推奨される摂取エネルギー量は35-40kcal/kg(標準体重)/日,蛋白質量は1.2-1.5g/kg/日となっています。(日本人には多いと思われる)

日本では日本病態栄養学会のコンセンサスがあるが、このガイドラインでは日本人の体格等を考慮し、

(1)エネルギー必要量は原則として栄養所要量(生活活動強度別)を目安にし,耐糖能異常のある場合には25-30kcal/kg(標準体重)/日に設定。

(2)蛋白質必要量は蛋白不耐症がない場合には1.0-1.5g/kg/日,高アンモニア血症などの蛋白不耐症がある場合は低蛋白食(0.5-0.7g/kg/日)と肝不全用経腸栄養剤を併用することする。

(3)脂質必要量はエネルギー比の20-25%とされる。

蛋白不耐症とは

肝硬変では高タンパク食が窒素負荷となって肝性脳症を誘発することがあり,このような状態を蛋白不耐症という.蛋白不耐症では摂取タンパク量を制限せざるを得ないが,一方でタンパク代謝異常を助長するというジレンマがあるため,低タンパク食(0.5~0.7 g/kg体重/日)に分岐鎖アミノ酸高含有の肝不全用経腸栄養剤を併用する

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