PEEPとCPAPの違い

PEEPとCPAPの違い

 

人工呼吸設定でPEEPとCPAPは似ている概念でややこしいのでそれぞれ整理。

 

人工呼吸は人間の代わりに機械が呼吸をしてくれているわけであるが、結局のところ息を吸って吐くという大原則は変わらない。呼吸における気道内圧の変化を考えてみると、息を吸う吸気時には気道内圧が高まり、呼気時には気道内圧は低くなる。PEEPとはpositive end expiratory pressure(=呼気終末時陽圧)のことであり、簡単に言えば息を吐いた時の気道に圧力を加えること。

気道内圧の圧力がなくなってしまうと、末梢の肺胞へも圧力が行かなくなり虚脱して肺胞がつぶれてしまう。そこで呼気の最後に陽圧が残るようにしておけば(つまりPEEPをかければ)肺胞が虚脱せずに済むのである。肺胞が虚脱しないとその分酸素化が改善され、PaO2の上昇が期待できるのである。PEEPは自発呼吸のない患者における器械換気の人工呼吸設定。

 

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引用:http://breathok.com/peep

 

 

では一方CPAPとは何か

CPAPとはcontinuous positive airway pressure(=持続性気道陽圧)のことであり、常に一定の圧力を気道にかけることを意味する。

下の図で言うと、左は普通の呼吸における気道の圧力変化。吸気時に上がり、呼気時に下がる。それに一定の圧力を加えるCPAPでは吸気、呼気のどちらも同じだけ圧力が上昇する。

 

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画像参照:http://www.nataliescasebook.com/tag/positive-airway-pressure-ventilation

 

CPAPがどういうような状況で必要なのかというと、自発呼吸はしているが、気道が閉塞していてうまく換気ができない時。例えば肥満による睡眠時無呼吸症候群や急性喉頭蓋炎による上気道閉塞など。上気道が閉塞することによって呼吸が出来ないのでそこに陽圧を加えることで道を開通させる目的で使用される。

 

【まとめ】

・PEEPとは自発呼吸のない患者(器械換気)に用いられる。呼気時に陽圧を残すことで肺胞が虚脱するのを防ぐ→ARDSなど肺胞が潰れやすい病態において酸素化(PaO2)を改善。

・CPAPとは自発呼吸のある患者で上気道の閉塞などによりうまく換気できない患者に用いられる。睡眠時無呼吸症候群などでは常に気道内圧を高くしておくことにより空気が気道内にスムーズに出入りできるようになる。 

 

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