ビーフリード®とは
静脈栄養は基本的に中心静脈から管理するのがキホン。が、中心静脈では手技も大変であるし、合併症などのリスクも有るため末梢からそれなりのエネルギーを投与できたらそれに越したことはない。そういう時によく用いられるのはビーフリード。(ちなみにビーフリードは末梢静脈用の製剤であり、中心静脈からの保険上の適応はない。)
ビーフリードの成分↓
420kcalL/1000ml,ブドウ糖75g,アミノ酸30g
一方で中心静脈栄養で用いられるフルカリック1号液↓
560kcal/903ml,ブドウ糖120g、アミノ酸20g
フルカリック2号↓
840kcal/1003ml,ブドウ糖175g,アミノ酸30mg
ビーフリードはブドウ糖に加えてアミノ酸も配合しているという点がポイント。アミノ酸は分子量が小さいために浸透圧が上昇しやすくなる。ビーフリードの浸透圧は血漿の3倍で静脈炎などを引き起こしやすいので血管痛など訴える患者ではすぐにやめなければならない。
◯ビーフリードの弱点:細菌感染起こしやすい
上記の通り、ビーフリードは浸透圧の関係で静脈炎を引き起こしやすいため、pHを血漿pHに近づけて血管痛を起こさないようにされている。(ビーフリードのpHが6.7、他の輸液製剤は基本的にもっと酸性。)
が、細菌の増殖の最適pHは6.0〜7.5でありpHが中性に近いビーフリードでは微生物の増殖が起こりやすいので感染にはより注意が必要。よって原則としてビーフリードは同一の袋で12時間以上かけて投与してはならない。
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