なぜ?– category –
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蕁麻疹患者には「魚を食べましたか?」と聞く理由
◯魚には大量のヒスタミンが含まれていることが サバなど魚を食べた後にアレルギー症状様の中毒症状が起こることがある。食後30分〜1時間後に蕁麻疹症状や腹痛、嘔気、下痢などが出現し、一見アレルギーと思われるが、実は魚の中に含まれているヒスタミ... -
救急外来でまず何の輸液を選択するか
救急外来でまず何の輸液を選択するか ◯病態もはっきりしないのまま輸液をつなぐことになる救急外来 救急外来では患者の病名も病態もはっきりとしない段階で輸液しなければならないことも少なくない。が、明らかに有害であることを示す所見がない限り、循... -
嘔吐でアルカローシス、下痢でアシドーシスになる理由
◯嘔吐でアルカローシスになる理由 消化管の細胞では CO2+H2O → H+ + HCO3-という反応が起こっている。 胃ではH+とHCO3-のうち、H+は胃酸として消化管腔内に分泌され、HCO3-は血液中に入る。よって、嘔吐すると、H+だけが体外にでていき、HCO3-は... -
敗血症性ショックではドパミンではなくノルアドレナリンを使う理由
敗血症性ショックの初期治療としては1000〜2000mlの輸液負荷を行うと同時にそれでも改善しない場合は昇圧薬としてノルアドレナリンやドパミンが頻用される。 どちらもαアドレナリン受容体を刺激することによって血管収縮作用を示す。 ドパミンに関してはβ... -
外傷で肋骨骨折があれば胸部CTもとっておくべき
外傷で肋骨骨折があれば胸部CTもとっておくべき 胸部打撲などの主訴で救急外来を受診されて胸部レントゲン撮影で肋骨骨折を認めた場合、基本的には保存的な治療になる。が、肋骨骨折をするような外傷の場合、胸部レントゲンで気胸が映らなくても実は気胸... -
減塩して血圧が下がる日本人は半数という話
減塩して血圧が下がる人は日本では二人に一人という話 食塩感受性高血圧とは本態性高血圧の中でも塩分摂取によって血圧が上昇するものを言う。「塩分をとると血圧が上がる」とよく言われるが日本人においては食塩感受性高血圧は約50%過ぎないと言われて... -
腹頸静脈試験とは何か
腹頸静脈試験(肝頸静脈逆流)とは何か →abdominojugular reflux(AJR) 右心不全の徴候として「頸静脈怒張」がある。頸静脈怒張はベッドを45度に傾けて患者の頸静脈が胸骨角のところから頸静脈拍動の最強点までの垂直での距離が4.5cm以上であれば右心... -
起座呼吸と発作性夜間呼吸困難の違い
◯起座呼吸と発作性夜間呼吸困難の違い 起座呼吸は仰臥位になると呼吸困難が出現し、座ると改善することをいう。メカニズムとしては、仰臥位では静脈還流量が増えるため、心不全が増悪して呼吸困難になると考えられている。 起座呼吸は横になるとすぐに... -
脳浮腫に漢方五苓散が効く理由
脳梗塞や脳腫瘍あるいは慢性硬膜下血腫など頭蓋内病変によって脳浮腫が起こる。脳浮腫とは文字通り脳細胞がむくんだ状態であるが、脳全体の体積が大きくなりすぎると脳幹を圧迫する脳ヘルニアを引き起こして致死的な状態となりうる。 西洋医学的な治療法... -
頭部MRIでT2スター撮影する意義
頭部MRIにおけるT2*(T2スター)撮影の意義 ◯T2スターは微小出血の検出に有用 T2強調画像とは多くの脳病変で敏感に高信号となるが、T2強調画像にはT2スター強調像、水強調画像など様々な撮像方法があり、鉄の見え方や実質のコントラストが変化する。T2...